*閉店しました。
年が明けてからというもの、相変わらず寒い日が続いている。
おまけに、今日は仕事が忙しかったせいで昼食をまともに取れなかったので腹も減っている。
こんな日に食べるもの。それは体が温まるラーメンに限る。
うまいラーメンを食って、腹と精神を満たしたい。
しかし、せっかくだから、今まで食べたことのないようなラーメンを食べたいという欲求もふつふつと出ている。
そして寒さのせいであまりウロウロとしたくないという横着な気持ちも出てきている。
さて、どうしたものか。
そんなとき、西武新宿の駅のすぐ近くにとある店を見つけた。
それが「味噌が一番西武新宿駅前店」だ。
正直言って、俺は醤油味こそラーメンで一番うまいと思っている。
だが、ここまで「味噌こそ!」と推すからにはそれを言えるだけのこだわりがあり、またうまい一杯を提供する店でもあるのだろう。
ということで俺は早速その自慢の味噌ラーメンを食べてみることにした。
スポンサード リンク
魅力1 店内で作られるこだわりの麺
店はどうやら地下にあるらしい。
階段をしばらく下りていくと、食券機があった。
大まかなメニューの区分は3つのようだ。
看板メニューであろう「頂上味噌麺」。
自慢の味噌味と土鍋が特徴といえる「土鍋味噌つけ麺」。
味噌味に煮干しの風味と旨さを加えた「煮干し味噌つけ麺」。
他にも「肉盛味噌麺」や「辛いどろ味噌麺」といった品もあるが、トッピングの違いで複数のボタンを設けているのはこの3種類だ。
ちなみに醤油ラーメンや塩ラーメンといった品はない。
潔いくらいまでにとことん味噌推しだ。
味噌味のつけ麺というのはあまり見かけないので少し気にはなるところだ。
が、気分はすでにラーメンとなっている。
ラーメンを食べるつもりで来たので、今日は「頂上味噌麺」というのを注文することにした。
入り口付近にいた店員に食券を渡して席に向かおうと思ったとき、俺はあるスペースに気が付いた。
食券機の正面斜め右。階段を下りてすぐ左のところにほかの店にはない、見慣れない小部屋がある。
ガラス張りになった部屋の中には大きい何かの機械が置いてある。そしてその上にはトレイがいくつか積み上げられている。
なんだここ?
倉庫、ということはまずないだろう。そもそもこんなところに置く意味もないし、ガラス張りにされた倉庫など聞いたことがない。
では一体なんなのか?
その疑問は小部屋の入口の扉に書いてある文字を見て解決した。
製麺所だ。
そう。味噌が一番で提供される麺は店舗で作られた自家製だ。
味噌が一番新宿店では店の中に製麺所を持っている。
つまりあの銀色の機械は製麺機で上に積まれたトレイはそこで作った麺を入れるためのものというわけだ。
小麦粉のブレンドにこだわった麺は風味や味わい、食べ心地や香りなど様々なことにこだわっている。また麺は作ってから24時間以内に店で提供されるらしい。
つまり時間によってはうち他の麺を食べられる、それどころか運が良ければ麺をうっているところを見られるかもしれない、ということだ。
そういえば階段を下りる時、通路に麺の出来上がる時間を書いた看板のようなものが置いてあった。
確か11時と17時と書いてあったか。
昼時と仕事終わりで混み始めるちょっと前の時間だ。お客が次々と来る前に準備しておこう、ということなのだろう。
なかなか麺をうっているところというのは見る機会はない。
チャンスがあったら一度見てみたいものだ。
魅力2 スープに加えられた特殊な隠し味
店内を観察しているうちに色々と観察しているうちに注文して頂上味噌麺が届いた。
味噌ラーメンというだけあって麺の上にはキャベツを中心としてパプリカなど様々な野菜がたっぷりと載っている。
スープも味噌味というだけあって、かなり濃厚そうなスープだ。
では早速一口。
店内で作っているという自慢の麺はやや細麺のストレートの麺で濃い味噌味のスープとよくマッチしている。
味噌が一番では日本各地の様々な味噌をブレンドしてスープ用のみそだれを作っている。
その成果もあってか、とても味が豊かで深いスープになっている。
だが、このスープの味。
日本中の様々な味噌を組み合わせたとしても、この味の深さは味噌だけで作れる味ではない気がする。
いったい何がこの味の正体なのだろうか?
恐らくどこかに書いてあるはずだ。
その答えを知るべくカウンター上にあったメニュー表に手を伸ばすと、予想した通り答えが載っていた。
味噌が一番のスープには、隠し味としてフォアグラが使われているらしい。
香りを最大限に引き出すために低温で炙ったフォアグラを味噌ダレに練りこんでいるということだ。
フォアグラ? もしかして、あのフォアグラ?
カモやガチョウの肝臓であるフォアグラは世界三大珍味として有名だ。調理法としてはソテーにしたりするのが一般的らしい
フォアグラ自体は一度も食べたこともないのでこんなことをいうのも何だが、正直言って、そんなレアで高級な食材が大衆料理の代表格ともいえるラーメンと合うのか? という疑問が湧いてくる。
だが考えてみれば合うのかもしれないという結論に至る。
母親の実家がある山形には鱈の身だけでなく骨や内臓までも使った「どんがら汁」という品がある。あれも内臓とかからいい出汁が出ているためかなかなかうまい。
それと同じようなものなのだろう。
事実、ここまでスープに深みと旨味が出ているのだからその相性は抜群といえるだろう。
なんかそんな高級食材が入っていると考えると、どこか高級なラーメンな気がしてくる。
魅力3 香ばしい味わいがする2種類のチャーシュー
味噌が一番新宿店のこだわりは麺とスープだけに収まらない。
チャーシューにもこだわりがたくさん詰まっている。
まず、味噌が一番ではラーメンに2種類のチャーシューを用いている。
肩ロースと豚バラ肉を使用したものだ。
この2種類のチャーシューだが、それぞれ違った味わいがある。
肩ロースのほうは脂身と赤身の部分のバランスが良く、しっかりとした食感を味わうことができる。
対してバラ肉のほうは肩ロースよりも柔らかく、簡単に肉がほつれていく。
頂上味噌麺ではそれぞれのチャーシューが一枚ずつ入っているので、両方ちゃんと味わうことができる。
しかもこれらのチャーシューはラーメンに盛り付けられる前に一度炭火で炙られている。
それによってチャーシューが持っている旨味に香ばしさが加えられる。
このチャーシューだがそれぞれ1枚80円で追加することができる。
大体チャーシューを追加しようとすると2、300円くらいかかってしまうことが多い。 それが1枚づつ追加できるということを考えるとかなり良心的なのではないだろうか。
そんなことを思いながらどんぶりの中に残っているラーメンをすすり続けた。
それにしても、この深い味わい。
味噌もたまにはいいかもしれない。
全て食べ終わったとき、俺の腹は満たされ、仕事で冷え切った精神は温かさを取り戻していた。
ごちそうさんでした。うまかったです。
スポンサード リンク
まとめ
さて、今回は「味噌が一番西武新宿駅前店」を紹介したが、いかがだっただろうか。
味噌が一番では麺、スープ、そしてチャーシューにまでこだわりを追い求めてきた。
それは全て店の名前のとおり、「味噌ラーメンこそ一番だ!」と高らかに宣言するために行われてきた店の努力だということがご理解いただけるだろう。
そうして作られた頂上味噌麺は味わいと旨味がバランスよくまとまったラーメンに仕上がっていた。
もし興味を持っていただけたのなら、一度訪れて食べてみていただきたい。
【今回紹介した品】
・頂上味噌麺 780円
お店情報
味噌が一番 西武新宿駅前店
・住所
東京都新宿区歌舞伎町1-24-3
・電話番号
03-6380-3568
・営業時間
平日 11:00~翌朝6:00
土曜 10:00~翌朝6:00
日曜祝日 10:00~24:00
(写真と文/鴉山翔一)
コメント