新宿ゴールデン街の「凪」に行列ができる3つの理由

新宿ゴールデン街。

新宿にあるこの飲み屋通りは日本人だけでなく外国人にも人気のあるスポットだ。

そんな通りを俺は一人歩いていた。

別段飲みに来たというわけじゃない。そもそも下戸だから酒飲めないし、変に体痛くなるし。

ただ単純に新宿という土地で働いているが、ゴールデン街に一度も行ったことがなかったし、どんな感じの場所なのかちょっと気になったから来た。ただそれだけのことだ。

ちょっと懐かしい雰囲気のする通りを歩いていると、俺はある店に目を止めた。

それが「凪」だ。

最初に見たときは「本当にここ営業してるのか?」と思ってしまった。

ボロボロの提灯がどこか「いかにも」といった雰囲気を醸し出している。

そんな状態の俺の目は店頭にあった看板にも目が止まった。

ここの店のラーメンは1杯に煮干しを60グラムも使った超濃厚なものらしい。

ラーメン1杯に60グラム? 本気で?

正直言ってこの看板を見たことで一気に興味が増してきた。

せっかく来たのだ。一度飛び込んでみるとしよう。

凪外観

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■理由1/店内は自慢の煮干しのにおいで満ちている

 

どうやら店は2階にあるらしい。

俺は目の前のドアを開けた。開けると中から煮干しの猛烈なにおいが鼻に届く。

このまま開けっ放しにしていたら、近くにいる猫がここに御馳走があると勘違いして寄ってくるんじゃないかと思うくらいだ。

そしてそんな俺の目に入ってきたのは上へと続く階段だった。

それにしてもこの階段、いくらなんでも急すぎやしやせんか?

ちょうど母親の実家にこんな感じに急な階段がある。ガキのころ、手をつきながらじゃないと登れなかったくらい急な階段だ。それに負けないくらい急だぞ。

まあいい。このにおいの発生源は上にあると思われる。とりあえず上ってみよう。

登れば登るほど煮干しのにおいがどんどん強くなる。

階段を上がりきると、店内の様子がわかった。

店内階段

 

店のスペース自体はかなり狭い。カウンターのみで下手したら10人も入れないんじゃないだろうか。そしてその席はほとんど埋まっている。
客席

早速券売機で食券を購入する。

メニューは煮干しをたっぷり使ったラーメン、同じように煮干しをたっぷり使ったつけ麺。あとは漁師飯というご飯ものとアルコール各種。

下に置いてあった看板には「すごい煮干しラーメン」と書いてあったし、おそらくラーメンのほうが店にとっての推しメニューなのだろう。

俺は煮干しラーメンの食券を購入し、店員に食券を渡す。

「味付けは普通でよろしいでしょうか?」

店員に聞かれたところで俺は味付けを設定できることに気付いた。麺の硬さなどを変更できるみたいだが、はじめは全部普通のほうがいいだろうと思い、店員に任せることにした。

それにしてもすごい煮干しのにおいだなあ。そう思って席の背後を見るとあるものが目に入った。

段ボール箱だ。

しかもこれ、煮干しが入っていたと思われる段ボール箱だ。

見つけただけで3箱ある。もしもあれが全部使用済みの箱だとしたら、かなりの量の煮干しを使っていることになるのではないだろうか。

なにせ1杯に60グラムも煮干しを使うということだ。ここにいる客だけでも500グラム以上は使っていることになる。

煮干し500グラム。はっきり言って想像を絶する。そもそも店に売っている煮干しって一袋何グラム? などと考えてしまう。

これはかなり覚悟をして挑む必要がありそうだ。

 

にぼし段ボール

 

■理由2/超濃厚な煮干しスープとそれを引き立てる麺

 

さあ、その自慢の煮干しを惜しみなく使った煮干しラーメンが届いた。

ご丁寧なことにラーメンのトッピングにまで煮干しが使われている。どんだけ煮干し推しなんだよこの店は。

では早速、スープを一口。

やはり予想どおり。煮干しの風味が一気に口の中に広がっていく。

煮干しだけのはずなのにスープが豚骨なんかのようにかなりコッテリした感じだ。

普通の煮干しの量であったら、ここまでがっつりとした煮干しの味を味わうことはできないだろう。これが1杯に60グラムも使ったことによって引き出した風味とコクということなのだろうか。

しかし、この辛味はいったい何なのだろう。

このスープはどう考えても醤油や味噌といった固定的なものじゃない気がする。だからといってタンメンのような辛さとも違う。

そう思いながら、食券を出したときに書いてあった項目の一つを思い出した。

あの中に辛銀だれという見慣れないものがあった。

もしかして、この辛味はそれによるものなのだろうか。

あの表に書いてあったのを見る限り、これでも辛さは半分らしい。最大で100辛まで選べるらしいが、実際そこまでの辛さに設定する人間がいるのか正直疑問が残る。

スープについての考察はその辺にして、麺のほうへと取り掛かった。麺は中太でやや縮れが入っている。箸で持ってみた感じ、かなりもちっとした麺だ。

それをスープに絡めて一口。

うん。縮れにしたことでスープが絡まっていて旨い。

やはりこのモチモチがスープとの相性の決め手になっているのだろう。

ラーメンの麺というのは麺がモチモチなほどスープを吸わない。

これは麺の加水率というものが関係してくるからだ。

この加水率というのは小麦粉に対してどれだけ水を使っているかというものだ。濡れタオルをイメージしてもらえるとわかりやすいだろう。

小麦粉に対して水をあまり使わない麺は乾いたタオルと同じようにたっぷりとスープを吸う。また、このタイプだと細麺が多いという傾向がある。

対してたっぷりと水を使ったタオルは濡れタオルと同じである。すでに水分を多く含んでいるためもっちりとしていてスープをあまり吸わない。このタイプだと太麺が多いという傾向もある。

この店の場合、スープはかなり濃厚な煮干しスープだ。そんなスープはほぼ確実に低加水の麺と相性は最悪だ。場合によっては標準的な加水率でもスープに麺が負けてしまうだろう。

しかし、ここの麺はかなりモチモチした高加水麺である。そのためスープをそこまで吸わない。

なので麺が異常なまでに味が濃くなったりしてしまうことがない。

ラーメンのスープと麺のバランスはちゃんとわかっていないと魅力を大きく損なってしまう。

 

煮干しラーメン

 

■理由3/ボリュームをさらに増させるいったん麺

 

さて、麺はあらかた片付いた。分厚く切られたチャーシューも食べ終えた。

そろそろ、こいつを味わうべきだろう。

何を味わうのかって?

このラーメンのもう一つの目玉である平たい麺。いったん麺だ。

それにしても、これは麺というべき代物なのか?

このラーメンの麺もかなり太目ではあるが、いったん麺については幅広すぎて正直言って麺と認めるのを戸惑うところがある。

まあいい。とりあえず食ってみればわかることだ。

試しに一口。

うん。うまい。

食感としては麺というよりは餃子や雲呑の皮に近いような気がする。

今までの麺がモチモチとした感じだったが、いったん麺はツルツルとした感じである。

加水率が違うからなのか、それとも最後のほうまでとっておいたからなのか、少しスープを吸っているらしく、スープの風味がほのかにする。

このいったん麺。もともと1枚入っているが、最初に注文する際に頼めば3枚さらに追加することもできる。1枚だけでもかなりのボリュームなのにそれを3枚も追加できる。

このゴールデン街でのみに飲んだ後に締めにガッツリとラーメンを食べたいという人にはこのパンチのきく量がいいのだろう。

たっぷりと食わせていただきました。ごちそうさん。

 

いったん麺

 

■まとめ

さて今回凪で超濃厚魚介系ラーメンを食べたが、ここまで前面に魚介系の味を押し切ったラーメンは初めてだと思う。

煮干しという癖のある素材をありのままに使ったここのラーメンは好きな人にとっては癖になり、たまらないものであるだろう。

もし煮干しが苦手でない人は興味があったら一度試してみていただきたい。

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・煮干しラーメン 820円

 

  • 店名

新宿 すごい煮干ラーメン凪 新宿ゴールデン街店 本館

  • 住所

東京都新宿区歌舞伎町1-1-10-2F 新宿ゴールデン街内

  • 電話番号

03-3205-1925

  • 営業時間

24時間営業 定休日なし

 

(写真と文/鴉山翔太)

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