広州市場新宿東口店にいつも行列ができる3つの理由
ふう、探してた本も見つかったことだし。どこかで軽く食事をして帰るとしようか。
そんなことを考えながら紀伊国屋脇の路地を歩いていると、ちょうど良さそうな店を見つけた。
それが広州市場新宿東口店だ。
ちょっと様子を伺ってみると、中に何人か待っている人がいる。
そういえばいつだったかここの前を通った時に行列ができていたことがあった気がする。
よほどうまい店なのだろうか。
よし、一度中に飛び込んでみるとしよう!
■理由1 店内にとても活気がある
「いらっしゃいませー!!」
店内に入ると威勢のいい声が聞こえてきた。
誰か一人が大きな声で挨拶すると、他の店員もその後に続く。
その元気の良さはまるで居酒屋のような感じだ。
ピーク時はいくらかずれていると思ったが、席は満席だ。
しかし店内に入ってすぐ疑問に思った。
視界に入る席は立った5席しかない。それに対して店員は3,4人いる。
席数に対して店員の数が多すぎないか?
そう思っていたら、ちょうど食べ終えたのであろうお客の一人が地下へと続く階段を上ってきた。
なるほど、地下があったのか。地下からも時々1階に負けないくらい活気のある声が聞こえてくる。
俺の前にいる客は二組。すでに店員からメニュー表を渡されているらしく、俺もすぐに店員から同じものを受け取った。
この店の自慢はやはり手間をかけたワンタンのようだ。定番メニューであろうワンタンメンには惜しげもなくワンタンが10個も入っているらしい。
そんなにたくさん入れていたら女性や食が細い人にはきついんじゃないかと思ったら、どうやらこのワンタンメンにはミニサイズがあるらしい。このミニサイズがあるらしい。
このミニサイズがどういった感じのものなのか聞いてみると麺は通常のものの半分、そしてワンタンは7個入っているということだ。
「ミニ」と書いてあったからどんな感じになるのだろうと思ったが、しっかりとワンタンを楽しむことができるメニューとなっているらしい。
では今回はその自慢のメニューを頼むとしよう。
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俺はメニューや看板で見出しとなっていた広州雲呑麺を頼むことにした。
それを注文すると、店員から味についてどうするのかと聞かれた。
味? と思ってもう一回メニューを見ると、どうやらこの雲呑麺には塩と醤油があるらしい。
たまに昼時に某食品メーカーの雲呑スープを食べるが、あれは確か醤油味だったはず。まずは食べなれている味で食べてみよう。それに俺はどっちかっていうとラーメンは醤油派だし。
「醤油で」と告げて、俺は席に案内されるのを待つのであった。
■理由2 地下はちょっとした隠れ家みたいな感じがする
しばらくすると俺の順番が来た。席はどうやら地下になるらしい。
地下へと続く階段を下りていくとテーブル席が10席ほどあるフロアに出た。
俺の席はちょうど地下にある厨房のような場所の前であった。
この席に着いたことでこの店で疑問に思っていたことがすぐに解決した。
どうやって料理を運ぶのか、ということだ。
見ていた限り、時々店員が地下へ降りることはあったが、どんぶりなどを持って降りたのは一度も見ていない。ならどうやって運ぶのだろうと不思議に思っていたのだ。
その答えは、厨房スペースに料理用のエレベーターがある。
料理が届く際、店員が威勢の良い声で返事をして中の料理をテーブルへと運んでいく。
待っているときに下から時々聞こえてきた「ありがとう」とかの掛け声はこれで料理が運ばれてきたことに対する返事だったのだ。
席について店内を見てみると、なんか不思議な空間だ、という気持ちになった。
壁には雲呑に対するこだわりのようなものが色々と書いてある。そしてところどころに一品ものの料理のお品書きが手書きのイラスト付きで貼ってある。ザーサイ豆腐や四川辛味わんたん、油淋鶏といった酒の肴にしたらうまそうな料理が色々ある。そっと隣の席を覗くとビールジョッキと一緒に油淋鶏らしきものがテーブルに載っている。なるほど、ここは夜はちょっとした中華料理の飲み屋にもなるのか。前にここを通りかかったときには確かランチメニューの看板を店の前に出していた。
昼はうまい雲呑麺屋。そして夜はこれまたうまい中華風居酒屋。二つの楽しみがあるということなのだろう。
そんな感じでまた店内を見渡していると、フリーWifiの文字が目に飛び込んできた。
この店、Wifiまで設置されているのか!
カフェなどでWifiが使えるというのはよく耳にするがラーメン屋でWifiが使えるというのは珍しい。
外国から来た人とか、使う人にとってはとても重宝することだろう。
そんなことを思っていると、注文していた雲呑麺が届いた。
■理由3 自慢の雲呑麺はボリュームがたっぷりある
うーむ……、なんというボリューム感……。
届いた雲吞麺を俺はまじまじと眺めた。
ワンタンが10個入っている、ということは写真と説明を見てわかってはいたが、実物を見るとやはり違う。
普通のラーメンであれば具材といえばチャーシュー、メンマ、海苔、ネギ、あとはお好みで卵や青物といった感じだ。なのでそれ以外の空間はよほどスープが濃厚でもなければ麺が見えるはずである。
しかしこの雲呑麺。スープがあっさり系のはずなのに、麺が一切見えない。
10個の雲呑が卵を取りあうべくスクラムを組んでいるような状態になっている。メンマや青物、そして中心にいる煮卵でさえもはやおまけにしか感じないほどの存在感だ。
では早速、ワンタンの一つをレンゲで掬い、口の中へと吸い込む。
スープをよく吸い込んだワンタンはちょうどいい塩加減だ。餡もたっぷり入っているため、噛めば肉汁があふれ出してくる。
スープはやはりあっさりした醤油味だ。少し前の中華そばのスープ、といった感じの味わいである。
そして麺。麺はかなり細目の麺を使っている。上のワンタンに気を取られて麺が伸びきらないようにするための配慮なのだろうか。
こちらも勢いよくすすって口の中へと吸い込む。
うむ。どこかちょっと懐かしいような、そんな感じの味がする。
細麺だと硬すぎるところがあったりするが、そんなことは一切ない。むしろちょうどいい具合の硬さだ。
ここまで一通り試したところで、俺はテーブルの上に並べられた薬味の壺の一つに手を伸ばした。
先ほど席に着いたときに店員さんがここの店のワンタンをおいしく食べる方法を教えてくれたのだ。
その方法はいたって簡単。
まずワンタンをレンゲで掬いとる。そしてテーブルに乗せられたお好みの薬味をワンタンにのせて口の中に入れる。
これだけだ。
その際、店員が紹介した薬味というのが、食べるラー油、酢、塩ショウガダレ、ニンニクダレの4種類だ。
俺はその中で食べるラー油を選んだ。少し前、というかだいぶ前に食べるラー油が流行ったことがあったが、その当時まだ極端にラー油=極端に辛いものという先入観があって食べたことがなかったのだ。あれから幾年。俺ももう大人だ。ここいらでその階段を上ってやろうじゃねえか。
蓋を開けて中に入っていた匙でいっぱい掬ってレンゲの上にのせる。ふむ、ラー油の中になにかのチップみたいなのが入っているらしい。これはいったい何なのだろう。
とりあえず、一口。
ん。そんな変わんないか? そう思っていると後からピリッとした辛さが口の中に走った。
先ほどまで醤油ベースの直線的な味だったが、ラー油の辛さが入ったことで締まりが出たような気がする。
これは癖になりそうだ。
そんな感じで俺はラー油の量を調整しながら残りのワンタンを食した。
一度ラー油の量をミスって痛い目にあったのはここだけの話だ。
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*まとめ
さて、おいしい雲呑麺を食べることができるだが、ここでお得な情報をひとつ。
広州市場新宿東口店では映画の半券を持っていくと雲呑麺が10パーセントオフになるというサービスを行っている。
新宿東口といえば新宿ピカデリー、バルト9、東宝シネマと三大シアターが存在している。もし、映画を見に行ってそのあと腹ごしらえをしたくなったらこのお店はいかがだろうか。
おいしい雲呑麺があなたのことを待っています。
・広州ワンタン麺 740円(税抜き)
広州市場新宿東口店
- 住所
東京都新宿区新宿3-17-13 KBビル1F
- 電話番号
03-6380-0570
- 営業時間
11:00~24:00(23:45ラストオーダー)
〈写真と文/鴉山翔一〉
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