西新宿で見つけた昭和の喫茶店「ピース」の5つの魅力
新宿駅の西口に出ると、どか~んと小田急ハルクのビルがある。
その小田急ハルクの1階に「ピース」という喫茶店がある。
この喫茶店がかなり昭和なのだ。
何から、何まで昭和の雰囲気がただよっている。
こういう空間に包まれていると落ち着くのだ。
今回はこの喫茶店「ピース」の5つの魅力を食リポしよう!
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■純喫茶こそがカフェの王道である!
「ピース」は、純喫茶である。
純粋な喫茶店なのだ。
ちょっと、待てよ。
純粋な喫茶店と、そうでない喫茶店の区別はどうつけるんだ?
ま、ひとことで言うと、酒類を扱わない喫茶店のことを「純喫茶」という。
そもそも喫茶店というのは、明治末期に出現した「カフェ」が原型だ。
「カフェ」は繁盛し、数がどんどん増えていった。
最初は知識人の社交の場だったのだが、大正時代には大衆化していく。
一般市民も「カフェ」でお茶をするようになったのだ。
そこで、女給による接客をする「カフェ」が出てくる。
どんな商品でも、成長期を過ぎると、多様化するものだが、「カフェ」も同じ道を歩んだのだ。
酒を出す「カフェ」が出てくると「特殊喫茶店」という呼び名が生まれた。
そこで、本来の種類を扱わない店を「純喫茶」と言うようになった。
だから、「純喫茶」こそがカフェの王道なのだ。
一方、酒類を出す「特殊喫茶店」はどうなったかというと、いくつも枝分かれしていく。
ある者は「バー」と呼び、ある者は「クラブ」と呼んだ。
「スナック」と呼ぶ者もあった。
ま、とにかく、明治期に誕生したカフェが今に残るのは純喫茶という業態である。
そして小田急ハルクの1階にある「ピース」は、まぎれもなく純喫茶なのだ。
■魅力1/ピースは待ち合わせに最適!
「ピース」の一番の魅力は、何と言っても、待ち合わせに最適なことだ。
場所がいい。
小田急ハルクを知らない人は、まずいないだろう。
知らなかったら、交番で聞けばいい。
小田急ハルクはすぐにわかる。
もしかしたら、小田急百貨店と間違える人がいるかもしれないが、小田急ハルクは小田急百貨店とは違う。
そこんとこは、気をつけてもらいたい。
「ピース」は小田急ハルクの1階にある。
待ち合わせるとき、相手にそう言えば以上終了だろ。
簡単だ。
しかも、「ピース」のいいところは、すでに座っている相手が一発で見えるということ。
店内は気持ちのいいほど真っすぐな長方形をしている。
奥の席まで入口から良く見えるのだ。
これほど、待ち合わせに最適な店もないだろう。
■魅力2/ピースは読書に最適!
ワシはよく「ピース」へ本を読みに行く。
椅子はフカフカのクッションが入っているので、尻が痛くならない。
隣りの席とも離れているので、会話はほとんど聞こえてこない。
静かに読書に没頭できる。
この日持ってきた本は「オセロー」だ。
作者はシェイクスピア。
黒人の将軍オセローが、美しい娘と結婚するところから物語ははじまる。
悪人にたぶらかされたオセローは、妻が不貞をはたらいたと信じてしまう。
そして、そして、な、な、な~~んと、
美しい新妻を殺害してしまうのだ。
なんと悲しい悲劇でしょうか。
悪人の仕業がすべて明るみになり、オセローは自分が騙されていたことを悟る。
そして、冷たくなった妻の死体に向かってこう言う。
「お前を殺す前にキスをしたな。
いま残された道は、
自分を殺し、
キスをしながら死ぬだけだ」
ま、こんな悲しくも美しい物語の世界にどっぷりとつかるためにも、「ピース」のような空間が必要なのだ。
■魅力3/ピースはほっこりと落ち着く!
読書するのもいいが、何もしないで、ほっこりとするのもアリだ。
タバコを吸う人ならのんびりと一服するのもいいだろう。
ピースは全席喫煙可だ。
禁煙とか、分煙をする店が増えている時代に、昔ながらのスタイルを守り通している姿はスゴイものがある。
たしかに、時代は禁煙に流れている。
コーヒーショップへ行くと喫煙ルームがあって、煙草を吸う人はそこへ入ってください、ということになる。
また、その喫煙ルームが狭くて換気も不十分だったりするのだ。
しかし、堂々と煙草が吸える店があってもいいではないか。
タバコを吸う人は肩身の狭い思いをしているのだ。
新宿に1店舗くらい、タバコ吸う人大歓迎というお店があってもいいとワシは思うのだ。
ちなみに、ワシはタバコを吸わない。
吸いたいと思ったこともない。
時々、もらいタバコで吸ってみることはあるが、タバコがおいしいと思ったことは一度もないのだ。
そんなワシでも、タバコを吸う人たちの権利は守るべきだと主張しておこう!
■魅力4/純喫茶に入ったらコーヒーだろ!
純喫茶に入ったら、やはりコーヒーを注文するべきだろ。
ワシはウエイターに「ブレンドで」と言った。
カウンター厨房を見てみるとサイフォンで沸かしていた。
ま、いまではサイフォンなど珍しくないが、ワシが高校生の頃、はじめてサイフォンを見たときは不思議な気持ちになったものだ。
アルコールランプの匂いがぷ~~んとして、下からポコポコとお湯が上のビーカーに入っていくわけだ。
そして、店員さんが、コーヒー豆と湯をかきまぜる。
すると、コーヒーの香りが漂ってくるのだ。
ワシらの時代、高校生が喫茶店に出入りするのは不良だった。
その不良が喫茶店でインベーダーゲームをしながらコーヒーを飲んでいた。
「ピース」のコーヒーがそんなことを思い出させてくれる。
・ブレンド珈琲 520円
・紅茶 520円
・ココア 570円
・ソフトドリンク各種 520円から
■魅力5/ピースで食事するならミートソース!
コーヒーの香りを楽しんでいると、小腹がすいてきた。
昭和の純喫茶で食事するとしたら何だろう?
定番は「ピラフ」だろ。
そして「サンドイッチ」。
何にしようか?
もっとも「ピース」らしい食べ物は何だろう?
ワシはメニューを眺めた。
・ミックスサンド 700円
・ピラフ 670円
・ミートソース 720円
昭和の雰囲気がただよう喫茶店で食べるならどれだ?
そのとき、ワシは、ふと、窓の外に目を向けた。
「ピース」の窓には、タバコのピースの模様がある。
え? スゴイな、これ!
何度か、この店に来て読書したことがあるが、ピースの模様があるなんてはじめて知った。
ハトがオリーブの枝を口にくわえている模様だ。
JTが発売しているタバコの「ピース」。
このデザインは、実はアメリカの商業デザイナーのレイモンド・ローウィによるものだ。
「オリーヴの葉をくわえた鳩」をデザインしている。
これは旧約聖書の「創世記」に出てくる物語だ。
ノアの箱舟の話だ。
大洪水が起きて、箱舟によって助かった人間と動物たちが、海を漂っていたのだ。
人間も動物も陸地がなければ生きていけない。
いつまでも箱舟に乗っているわけにもいないのだ。
そんなとき、ノアは鳩を飛ばす。
すると、その鳩はオリーヴの葉をくわえて帰ってくる。
そのことで、ノアは、陸地が近いことを知る。
それで鳩は平和の象徴になったのだ。
その逸話がタバコの箱にデザインされているというわけだ。
そこでワシは、ふとひらめいた。
オリーヴといえば、地中海。
地中海といえば、イタリア。
イタリアといえば、パスタだろ。
決まりだ。
ワシはウエイターに「ミートソース」を注文した。
柔らかめのスパゲッティに甘いミートソース。
これだ! これだ!
昭和の味だ。
ワシは懐かしさをかみしめるようにしてスパゲッティを食べた。
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■まとめ
新宿駅から徒歩3分というチョー至近距離にある喫茶店だ。
昭和の雰囲気が漂う「ピース」は、昭和生まれの人にも、平成生まれの人にもきっと安らぎと癒しをもたらしてくれるだろう。
・店名/ピース
・住所/新宿区西新宿1-5-1 小田急ハルク1F
・電話番号/03-3342-0812
・営業時間/9:00-22:45 (ラストオーダー 22:30)
・定休日/無休(年末年始を除く)
(写真と文/ブッダ猫)
コメント
私もピース好きです
タバコピースの鳩かあったとはしりませんでした。
見晴らしがいいのが好き
ここ2〜3年いってないですが
ウエイトレスのおばあちゃん?
今でも頑張っているかしら、、あの無愛想で怖いところが有名なんですよね、
初めてコメントします。
新宿西口小田急ハルクの地下にあったカレーハウス伊達と
ハンバーガーショップららを検索していたらピースに
たどり着きました。
今日は野暮用で新宿西口に行ったので京王地下の11イマサでジャーマンカレーのランチ。
伊達とららの画像とか無いんですね。
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