【注意】天気の子の内容に触れるところが多々ありますので、ご了承の上お読みください。
3年ぶりの新作として公開された新海誠が監督を務める映画「天気の子」。
新海誠監督の作品には新宿周辺の様々な場所が描写されていますが、今作も例に漏れません。
今回は映画「天気の子」に登場した新宿周辺のスポットについて、いくつか紹介していきたいと思います。
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・陽菜が晴れ女になった廃ビル
まず紹介するのは映画の特報などにも出てくる廃ビル。
ヒロインの陽菜が晴れ女となったきっかけでもあるこのビルはJR代々木駅のすぐそばにある代々木会館という建物がモデルとなっています。
こちらの建物はかつて「傷だらけの天使」で「エンジェルビル」という名前で登場していたという過去があり、廃墟ファンだけでなくドラマのファンも足を運んでいたようです。
新宿駅から行く場合、線路の西側から行くと途中で陽菜がこのビルへ向かう際に渡った踏切を通ることになります。
この代々木会館にはパチンコ屋やビリヤード店、うなぎ屋など様々なテナントがかつては入っていたようです
ちなみに「代々木」と名前にあるだけあって、住所は渋谷区になります。
……うん。一発目からこんなだけど気にしてもしょうがない。
ちなみにこちらの建物は2019年の8月には解体工事が始まってしまうということなので、今後見れるのはそう長くはないかもしれません。
ファンとしては建物がなくなってしまう前には見ておきたいものです。
またその際は決して建物の中に入ってはいけません。
建物自体の老朽化などもあって危険ですし、そもそも不法侵入になります。
・帆高と仔猫が出会った場所
家出をして東京にやってきた主人公の帆高は東京の中心と個人的に考えていた新宿へとやってきます。
生活の資金を手に入れるためにアルバイトを探しますが、身分証もなしに雇ってくれる場所などもちろんありません。
節約のために拠点としていた漫画喫茶を出て、雨をやり過ごし一晩過ごせる場所を求めて夜の歌舞伎町を歩いていました。
すると警察に声をかけられます。
しかし帆高は補導されるのを恐れて逃げ出します。
警察から逃げ延び、隠れるように身をひそめる帆高はとあるビルで雨宿りをします。
その際に仔猫(後のアメ)に出会い、また男に躓かされて倒してしまったゴミ箱から袋に包まれた本物の拳銃を拾ってしまいます。
これらのシーンで使われたこのビルも実在しています。
場所は新宿の歌舞伎町にある東宝シネマの裏から更に路地を一本奥に進んだところにあるアタミビルという建物です。
特報の映像でもこちらのビルの名前は「アタミビル」とそのまま使われています。
建物の前の路地が結構狭いので、映画と同じように撮影するとなるとなかなか難しいかもしれません。
ちなみに水商売の男に連れて行かれそうになった陽菜の手をとって帆高が逃げるシーンがありますが、方向的にはこの建物の前を通って東の方へと走っています。
(そこから先のルートについては未特定)
・帆高と陽菜が出会った場所
続いては陽菜がアルバイトをしているファストフード店です。
節約のために3日連続で夕飯がコーンスープだけという帆高。
それを見兼ねた陽菜がハンバーガーを奢ってあげた事が2人の出会いとなります。
こちらのシーンは小説版にてお店がマクドナルドで陽菜が奢ったのがビックマックという記述はありました。
しかし、さすがにどこのお店というのまでは書かれていませんでした。
そりゃ東京に来たばっかの帆高がそんなの知ってるわけないですからねぇ。
ですが、映画を見たら一瞬でわかりました。
その鍵となったのが、帆高が座っていた席の外に見えた風景。
そこには新宿の大型ビジョン「ユニカビジョン」がありました。
となれば特定するのは簡単。
二人が出会ったマクドナルドは西武新宿駅前店ということになります。
外のユニカビジョンの見え方を見る限り、帆高がいたのはおそらく4階だと思われます。
余談ですが、このシーンで帆高が飲んでいるのはコーンスープと小説では書かれていました。
マックにコーンスープなんてあったっけ?
という疑問があり、映画を見たあとでお店に行ってメニュー表を見てみました。
確認した結果、やはり現在コーンスープはグランドメニューとしてはありませんでした。
しかし調べてみたところ、以前(といっても10年近く前)は通常メニューとしてコーンスープが200円ほどで販売されていたようです。
さらに余談として、このシーンのおそらく数日後に帆高と陽菜は再会して、陽菜はバイトがクビになった事を理由に水商売の男の誘いを受けたことを明かしています。
クビになった理由については明かしていませんでしたが、おそらく陽菜の秘密がバレた事が原因ではないかと考えています。
・K&Aプランニング
続いては帆高が東京へ来るフェリーで海に落ちそうになるのを助けてくれた須賀圭介がCEOを務める編集プロダクション。
そして帆高が居候することになる「K&Aプランニング」です。
K&Aプランニングについては新宿区の山吹町にあるということは小説に明記されています。
また映画を見た限りでは事務所の前がドーナツ模様の坂になっていて、すぐ近くに駐車場があることがわかりました。
これらの情報をもとにグーグルのストリートビューも使いながらシラミ潰しに探してみました。
しかし、ここでまさかの予想外なことが起こります。
そう。見つからないのです。
それどころか建物を見つける上での鍵になるであろう坂すらないんです。
となると近くではあるけど山吹町ではない場所にあるのでしょうか。
それを確認するべく、周辺の区画を調べてみました。
その結果、それらしい建物は見つけました。
場所は山吹町の隣町である東京都新宿区築地町の一角です。
東西線の神楽坂駅を出てから赤城大明神の方へと進み、ローソンの脇にある坂を下っていくとその途中にあります。
外に「CAFE」と書かれた看板があることから、元々はお店だったようです。
映画と比べると植え込みがなかったり、入り口のところに日差しがなかったりと差異はありますが、緑色に近いタイルの外壁、半分地下になっている事務所の入り口等似ている場所は結構あります。
おそらくこの建物をベースにいろいろとアレンジを加えているのでしょう。
またまた余談ですが、圭介の姪である夏美の愛車であるカブのナンバーはピンク色なので110ccのモデルでしょう。
なので、一般的な原付きと違って公道を60キロまで出せますし、二人乗りに関してもOKです。
でも車体がピンク色のカブって見たことないんですよね。
あれ、塗ったんかな……。
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・考察:帆高はどこから走っていたのか?
*ここから先は「天気の子」の物語の核となる部分に触れます。
問題ないという方のみ読み進めてください。
中盤は陽菜と弟の凪が暮らす田端や晴れ女の仕事で行ったお台場や六本木ヒルズ、芝公園といった東京都内の様々な場所、そして警察や児童相談所といった大人たちから逃げ出した3人が一晩を明かす池袋が描かれるため、新宿が描写されることはそんなにありません。
なので最後に紹介する場所は物語の終盤まで一気に飛びます。
陽菜の誕生日を迎える前日。
晴れ女としての最後の仕事を終えた日の夜に、東京では8月なのに10度を下回って雪が降るなど各地で前例のない異常気象が起こっていました。
荒れた天気の中、大人たちから逃げていた帆高たちは池袋のホテルで一晩を明かすことにします。
度重なる危機から逃れた事による安堵から楽しい時間を過ごす3人。
やがて午前0時になり、迎えた陽菜の誕生日。
帆高は誕生日プレゼントの指輪を渡します。
嬉しそうに笑う陽菜はプレゼントを受け取り、ふと「この雨が止んでほしい?」と問います。
質問の意図がわからなかったに帆高は何気なく「うん」と答えてしまいます。
そんな帆高に陽菜は晴れ女が荒れ狂う天気を止めるための人柱である事、そして晴れを願うほど自身の体も徐々に消え始めている事を明かします。
自分が消えれば、またいつもの夏が戻ってくる。
そう語る陽菜を抱きしめ、陽菜は消えない、三人で一緒に暮らすんだと口にする帆高。
そして帆高が寝静まった頃。
荒れ狂った天気を鎮めるための人柱として、陽菜は空へと消えてしまいます。
朝方、陽菜が消えて呆然とする2人がいる部屋に警察が突入してきます。
陽菜と凪は子どもだけで生活していたことが原因で児童相談所に目をつけられていてました。
そして帆高は両親から行方不明届が出されていた事、陽菜を水商売のスカウトから助けるためにおもちゃだと思っていた拳銃を撃ってしまったところを防犯カメラに撮られていた事から警察に追われている身となっていました。(ちなみに同じ頃、須賀さんは帆高に対する誘拐の容疑がかけられていました)
突入してきた警察によって凪は児童相談所で保護、帆高は警察署で取り調べのために連行されます。
ホテルを出ると辺りはまだ冠水していますが真っ青な空が広がっています。
眩しそうに見上げていると、空から何かが帆高の足元に落ちてきます。
拾い上げてみると、帆高が陽菜に渡した指輪でした。
それを見て帆高は陽菜が本当に人柱となってしまったのだと確信します。
パトカーで連行される途中、刑事から陽菜の秘密が明かされます。
今度の誕生日で18歳になると言っていた陽菜ですが、本当は15歳の中学生だったのです。
自分が一番年上だったのかと涙ぐむ帆高。
やがて警察署に着き取り調べが始まろうとする中、帆高は陽菜を探すために警察署から逃げ出します。
途中凪から連絡を受けていたという夏美と合流し、夏美のカブで陽菜が空と繋がり、晴れ女になった代々木の廃ビルを目指します。
幾度もパトカーから逃げ続ける夏美と帆高。
そんな二人の前にトラックが半分冠水するくらいの水が溜まった道路が行く手を阻みます。
後ろからは自分たちを追っているパトカーのサイレン。
意を決した夏美は強行突破を図りますが、案の定バイクは水没していまいます。
自分の役割はここまでと悟った夏美は帆高に先へ行くよう促します。
カブから近くに止まっていたトラックの屋根に飛び移り、そこから柵をよじ登って線路の中に入り、帆高は代々木へと走っていきます。
空から陽菜を取り戻すために……
と、まあ「青春してんなー」と呑気に思いながら映画館で見ていたこのシーン。
いったい帆高はどの辺りから線路に入って代々木を目指したのでしょう。
まだ1回しか見れていないので確証に至るには難しいかもしれませんが、少し推測してみたいと思います。
まず帆高が警察に捕まり、連行されたのは池袋警察署のようです。
これは映画でちらっと名前が出てきます。
この警察署の最寄り駅を調べてみたところ、名前通り池袋駅でした。
そこから逃げ出し、途中で夏美が拾ってくれた事によってパトカーとカブによるカーチェイスが始まります。
当然ながら代々木を目指しているので南に進んでいることでしょう。
また線路を走っているシーンを小説版で見てみると、「高田馬場駅を過ぎ、新大久保駅を過ぎ」とあります。
ここから考えると線路は山手線の線路で、高田馬場駅より北から入ったことはほぼ間違いないでしょう。
そして入ったところにはトラックが半分ほど水没するくらいの水が溜まっていました。
つまり線路脇の路地が線路より低い位置にある場所ということになります。
そういった条件に当てはまるところをグーグルマップのストリートビューを使いながらさがした結果、目白駅と高田馬場駅の間にある西側の路地にそれらしいポイントを見つけました。
それが目白駅を出てすぐのところにある西側の路地です。
ちなみにこの場所ですが、豊島区と新宿区の境界とも言える場所のようです。
近くにある建物の住所は新宿区下落合になっていて、少し目白駅の方に行くと豊島区になっていました。
個人的に今わかっている情報の範囲で検証した結果、ここが最も有力ではないかと考えています。
まずこの辺りは高田馬場方面に向かって傾斜があり、また線路に設けられている柵には有刺鉄線が施されています。
そして、高田馬場より北で線路に面したところに路地があるポイントで、かつ線路のほうが路地より高い場所にあるのはこの場所ぐらいなんです。(目白駅から池袋駅間は線路のほうが横の路地より高い場所がほとんどない。目白高田馬場間の東側は線路の脇に植え込みがある。高田馬場新大久保間にも似たポイントはあるが条件が揃わない)
そういったことからこの場所から入ったのではないかと私は推測しました。
ちなみにここから代々木駅まででざっと3,4キロといったところです。
いやこんな距離をよく走ったもんだな……。
若いっていいねぇ……。
当然ですが、線路には絶対に入ってはいけませんし、柵によじ登ろうなんてことも考えてはいけません!
「冗談でやった」なんてことは一切通用しません!!
本当に危険です。
入ったら電車は止まりますし、最悪命に関わります!
それだけは絶対に守るようにしてください!
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まとめ
今回は映画「天気の子」で映っていたのはどのおあたりなのかを紹介していきました。
いかがだったでしょうか。
公開された天気の子は現在全国の映画館で絶賛公開中です。
映画を見たあとに、劇中で登場した様々な場所を回ってみてはいかがでしょうか。
その際はしっかりとルールを守るようにしてください。
また映画の公開に合わせ、紀伊国屋書店新宿本店では1階の特設売り場でフェアを実施しています。
こちらも映画を楽しんだあとに足を運んでみてはいかがでしょうか。
(写真と文/鴉山翔一)
天気の子公式サイト

新宿ピカデリーホームページ
バルト9ホームページ
TOHOシネマズホームページhttps://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/076/TNPI2000J01.do
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