一時は、日本と韓国が政治的な対立があって、大久保通りも閑古鳥だった。
しかし、それを救ったのは、他でもない「チーズタッカルビ」だという噂がある。
たしかに、大久保通りを歩いてみると、
いたるところに「チーズタッカルビ」の看板がある。
西新宿に住むミリオネア夫婦は、散歩がてらに、大久保を歩いてみることにした。
果たして、この「チーズタッカルビ」に街を救うほどの力が秘められているのか?
厳重に調査してみたい。
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■そもそもチーズタッカルビって何よ?
「チーズタッカルビって、インスタ映えするじゃん。それで、人気に火がついたんじゃないかなぁ」
とミリオネア夫婦の夫が言う。
ネットで調べる子ちゃんの妻が、チーズタッカルビを検索する。
「タッカルビとは、大きな鍋や鉄板で、
鶏肉とキャベツ・たまねぎ・さつまいもなどの野菜、トックなどを炒め、
コチュジャン・とうがらし・砂糖・しょうゆなどで作った甘辛いたれで味つけしたもの。
『タッ』は『鶏』、『カルビ』は『あばら骨』『骨つきあばら肉』の意。
このタッカルビにチーズをまぜて食べるのがチーズタッカルビ」
「タッカルビは江原道春川市の郷土料理として知られており、
本場・春川の市内中心部の繁華街の一角には
約100メートル続く『春川明洞タッカルビ通り』がある。
『元祖』『本家』と看板を掲げる専門店が約30軒以上も連ね、
国内外の観光客に人気のグルメスポットである」
「江原道春川市は、2000年代前半に日本で放送され大人気となった
韓国ドラマ『冬のソナタ』の舞台として知られている。
それで、日本でもタッカルビが流行した」
チーズタッカルビは、
2017年、「JC・JK流行語大賞」のモノ部門で一位を獲得し、
「インスタ映え」するとして注目度が急上昇、
女子高生ら若者を中心に「チーズタッカルビ」が大ヒットした。
日本の「韓流の街」と言われる東京・新大久保には至る所に
「チーズタッカルビ」の看板が掲げられ、
休日には行列ができるほど繁盛している。
タッカルビは元々ある人気の韓国料理だが、
チーズとあえることを考えたのは
「市場(シジャン)タッカルビ」の姜光植(カン・グァンシク)さんだという。
だから、「市場タッカルビ」には、「チーズタッカルビ発祥のお店」と看板にある。
果たして、本当に、いまだに、行列ができているのか?
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■チーズの量が新大久保でナンバーワン!
ネット情報だと、休日になると、チーズタッカルビの店に行列ができているとあるが、
いまだにそうなのか?
「たしかに、チーズタッカルビの看板は多いね」
と妻が上のほうを向いてキョロキョロしている。
「でも、行列はできてないね」
と夫。
「ネットの情報を鵜呑みにしちゃダメだね。自分の目でみなきゃね」
と妻。
「じゃ、やっぱり、チーズダッカルビ発祥の店へ行きますかね」
夫が、『市場タッカルビ』へ行こうと提案する。
『市場タッカルビ』の住所は、
東京都 新宿区大久保1-16-16祥栄ビル1F
大久保通り沿いにある。
しかも、JR新大久保駅に近いものだから、狭い歩道に人があふれていて、
まっすぐ歩けないじゃないか。
「ブームのころは、駅に入場制限があったらしい」
「でも、いまは、歩道があふれてるだけで、どこの店も、ガラガラだね」
「お昼どきを過ぎてるからね。いま、4時だよ。ちょうど、ランチとディナーのはざまだからね」
チーズダッカルビ発祥の店『市場タッカルビ』も、外からなかを見てみて、空席が目立った。
「何となく、入る気がしないんだけど」
「違う店にしようか」
とミリオネア夫婦は大久保通りを中野方面へ向かって歩いた。
JR新大久保駅をすぎて、皆中稲荷神社でお参りし、
JR大久保駅の手前で、気になる看板を見つけた。
チーズタッカルビのチーズの量が新大久保でナンバーワンなんだそうだ。
チーズは多いほうがいいに決まってる。
「ここ、いいんじゃね?」
と夫の足が止まる。
「うん。いいね」
と妻はサッサと中へ入る。
店の名前はひらがなで『でじにらんど』
「ん? ディズニーランドをモジってる?」
「そうみたいね」
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■ビールとお通しだけでお腹がふくれてしまった!
店のなかに入ってまず目についたのが、
生ビール、黒生ビール、ハーフ&ハーフがすべて170円というもの。
「これだね」
「うん。飲まなきゃね」
ビール好きの妻に異存はない。
最近は、どこの店も、生ビールを激安で提供している。
生ビールは赤字でも、他の料理で元を取るという戦略なのだろう。
でも、夏はやっぱり生ビールでしょ。
お通しは3種類。
「ポテトサラダ」と「モヤシのキムチ」と「カクテキ」
お通しは、おかわり自由だから、ビールを飲みながらお通しをどんどん食べる。
ミリオネア夫婦は、4回もおかわりした。
また、「モヤシのキムチ」がビールに合う。
生ビールもどんどん追加してしまう。
「ヤバイね。ビールがどんどん入っていく」
「お腹がパンパンになるよ」
と妻がたしなめる。
妻はポテトサラダをバクバク食べて、さらにおかわりしている。
ビールとお通しだけで、かなり、お腹が膨れてしまった。
「ヤバイぞ。これからメインのチーズタッカルビが来るぞ」
夫は、ビールグラスをテーブルに置いて、背筋を伸ばす。
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■チーズの量はたしかに半端なかった
しばらくすると、鉄板にチーズが山盛りになった「チーズタッカルビ」がやってきた。
ミリオネア夫婦の頭のなかにはエルガー作曲の行進曲「威風堂々」が流れている。
静かな旋律からはじまり、だんだんと大きな音になっていく。
おお!
チーズ! チーズ! チーズ!
我が愛するチーズよ!
そして、チーズの山にうずもれてしまった鶏たちや豚たち、
トッポギやサツマイモたちも、愛情をそそがれ、いつもより10倍おいしくなれ!
鉄板が火にかけられ、チーズが少しずつ溶けていく。
「まだ、まだ、まだ待って!」
十分焼けたところで、チーズとまぜて食べる。
甘くて辛くてうまい!
・チーズタッカルビ2~3人前 1,980円
これはたしかに、病みつきになる。
月に1度は食べに来たくなる味だ。
何度も繰り返し聞きたくなる音楽があるように、
何度でも繰り返し食べたくなる味がある。
それが「チーズタッカルビ」かもしれない。
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■仕上げにシッケを飲んでみた
ドリンクメニューを眺めていた夫が言う。
「ビールも飽きたので、次は何にしようかなぁ。このシッケってなに?」
「あ、シッケね」
妻は、食べ物や飲み物には詳しい。
政治経済はわからなくても、腹に入れるものがわっていれば生きていけるのだ。
「シッケとは、炊いたもち米を麦芽粉から抽出した水に入れて発酵させてから
砂糖を入れて短時間火にかけ、冷たくしてから、
干しナツメ、松の実、柚子の皮、あるいは石榴の実を浮かべて飲む。
いわゆる発酵食品のひとつ」
なるほど。
「ま、いうなれば、日本の甘酒のような食感ね。アルコール分はゼロだね」
「シッケを、シッケりといただきました」
ミリオネア夫婦の大久保探訪は、ラブラブな愛にあふれている。
「おいしかったね」
「うん」
「結婚っていいね」
と妻がニコニコしている。
「どうして?」
「お酒飲んだあと、一緒の家に帰るんだもん」
「なるほどね。結婚してなかったら、別々の家へ帰ることになる」
「それって、寂しいでしょ」
「たしかに!」
2人は、手をつないで、西新宿の自宅までのんびり歩いたのである。
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■まとめ
店名は「でじにらんど」
ちなみに、デジとは韓国語で「豚」という意味。
「でじにらんど」は、豚がおいしい店だった。
チーズタッカルビもいいが、
おススメは
「ボルジップ サムギョプサル チーズセット2人前/2,780円」
16mmの極厚ステーキがこの店の看板メニュー。
ぜひ一度、お試しあれ!
店名 でじにらんど
- お問い合わせ
050-5868-3512
- 住所
東京都新宿区百人町1-17-6 東都ビル 1F
- 交通手段
JR新大久保駅 徒歩3分(駅出てすぐ左折)
JR総武線大久保駅 徒歩1分 (駅出てすぐ右折)
大久保駅から117m
- 営業時間
11:00~05:00
日・祝
11:00~01:00
ランチタイム(月~土)
11:00~15:00
日曜営業
年中無休
(写真と文/ブッダ猫)
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