やあ、よく来たね。
君を呼んだのは他でもない。
先ほど特異点と思われる新たな歪みをスタッフが観測した。
しかも不思議なことに今回はかなりピンポイントで、新宿の紀伊國屋書店という本屋で起きているようだ。
調べてみると、どうもその特異点はFGOと呼ばれているゲームがどうも関係しているらしい。
このまま放置しておいても問題はないだろうが、君には実際に発生地である紀伊國屋書店の様子を見てきてほしいのだが、どうかな?
そうか。君ならそう言ってくれると思っていた。
では、早速お願いするとしよう。
1.そもそもFGOって何
そもそもFGOって何なのか知らない?
そうだろうね。ここのデータベースでもさすがにゲームに関しては完備していない。
まあ、何も知らない状態で行くのもあれだろうし、簡単に説明したいところだが、そのためにはまずFateシリーズそのものについて説明しなければならない。
そのほうが君にとってもわかりやすいだろう。
FateシリーズというのはTYPE-MOONというサークルのメンバーが作った会社が出しているゲームのシリーズの事だ。
最初の作品である「Fate stay/night」はパソコン向けのビジュアルノベルゲームという紙芝居に小説がついたようなゲームで2004年に発売された。
サーヴァントと呼ばれる歴史や神話、伝承に登場する英霊たちを従えた7人の魔術師が万能の願望器と呼ばれる聖杯を巡って争う「聖杯戦争」を描いたバトルロワイアルは人気を博し、当時1万本も売れれば大ヒットと言われていた中でFateはファンディスクを含めて40万本も売り上げた。
これは驚異的な数字だ。予想を裏切るヒットとはこういうことを言うのだろうね。
その後様々なデバイス向けに移植されたり、アニメ化、スピンオフ作品にも恵まれた人気シリーズ。それがFateだ。
もちろんFGO、正規名称「Fate Ground Order」もこのFateシリーズの一つだ。
2015年に配信されたこのゲームは1300万ダウンロードもされた人気ゲームで、アーケードゲームも稼働間近ということだ。
まったく、大したものだよ。
2.FGOの魅力って?
FGOがなぜそこまで人気のゲームになったのか。
ふむ。確かに気にはなるところだろう。
そこは実際にプレイしてみてほしい。何がおもしろいのかを明かすというのは、ミステリーにおいて犯人を先に言ってしまうのと似ているところがあるからね。
と、いいたいところだが今回は特例だ。個人的に魅力だと考えていることについて話そう。
まずはストーリーだ。
あらましとしては、人理継続保証機関カルデアを舞台に証明されてしまった人類滅亡を回避するためにサーヴァントを従えるマスターとなった主人公がヒロインと共に過去の時代に生まれた「特異点」へ時間旅行を行い、様々な英雄たちと出会いともに戦って人類の歴史を守る、というのがFGOのストーリーだ。
そういう意味では君がこれまで行ってきたこととどこか似ている。
FGOのストーリーは主人公だけでなくヒロインも徐々に成長する姿が描かれているから、そこに共感する人も多いのだろう。
もうひとつの魅力は世界の数多の英雄たち「サーヴァント」の存在だ。
いったいどのくらいいるのかというと、2018年7月の時点で200を超えている。
驚いたかね? うちも多いとはいえ、そこまで大所帯じゃないからね。驚くのも当然だ。
もちろんその中には織田信長や宮本武蔵といった君の故郷でも有名な人物の他、アーサー王伝説やケルト神話、ギリシャ神話といった世界的に有名な物語に登場する人物もいたりする。
中には君の故郷ではあまりメジャーではない者もいたりするが、そういったキャラクターについてゲームを通して知っていくというのもFGOの面白さでもある。
サーヴァントは基本的には7つのクラスに該当していて、セイバー(剣士)、アーチャー(弓兵)、ランサー(槍兵)、ライダー(騎乗兵)、キャスター(魔術師)、アサシン(暗殺者)、バーサーカー(狂戦士)のどれかに属している。
中にはこの7つに該当しないエキストラクラスという特殊なサーヴァントもいるが、まあそれについては説明しなくてもいいだろう。
登場するサーヴァントは個性的なキャラクターも多く、そこがまた人気に一役買っているのだろう。
これらのキャラクターを組み合わせてバトルを行い、物語を進めていく。それがFGOというゲームだ。
説明はこのくらいで大丈夫かな。では早速行ってきてもらおう。
3.紀伊國屋ののFGOフェアはすごい!
おかえり。なかなか楽しめたようだね。
なに、初歩的なことだ。君の顔を見ればわかるよ。
では早速、様子はどうだったかを聞かせてもらおうか。
ふむ。今回の特異点の中心「新宿特異点」の正体は紀伊國屋書店で行われていたFGOの関連書籍を中心に扱ったフェアだったという事だね。
君を行かせたあとに調べたのだが、この紀伊國屋書店で今回のようなフェアが過去に2回行われていたらしい。
なら調べに行く必要なんてなかったんじゃないのか?
はは、まあ念には念を、というやつだよ。
ふむ。フェアの売りはゲーム内で登場する様々なサーヴァントに関連した本を取り揃えている、ということか。
Fateシリーズの看板であるアルトリアことアーサー王に関連した書籍はもちろん多数取り揃えている。
英雄王として人気の多いギルガメッシュ王の物語であるギルガメシュ叙事詩やクー・フーリンやスカハサが登場するケルト神話の本もばっちりときた。
おっと。例の女剣士宮元武蔵からは「五輪の書」が選ばれているのか。いったい彼女の剣の強さの秘密は何なのか気になるところではあるね。
先の帝都聖杯奇譚で参戦した坂本龍馬、岡田以蔵の書籍も用意されているのか。
スタッフも行動が早い。
ほう。英霊たちに関連した本だけでなくFateシリーズの様々な本も揃っているし、原作者奈須きのこの人気作「空の境界」も2種類用意されているのか。
これはファンにとっては嬉しいところだろうね。
ところで、君はこの並べられた本をみて気づいたことはないかね?
そう。それぞれの本には手書きのPOPが用意されている。
いったいどれほどの時間がかかっているのだろうね。さすがの私でもまったくもって想像ができないよ。
また、ストーリーの1.5部や2部に登場したサーヴァントやストーリーに関連した書籍にはネタバレ防止も兼ねて1冊ずつカバーで覆われていたり、POPも重ねられていてめくらないと詳細が見れないようになっている。
ミステリーにおいても犯人を勝手に先に明かされることほど腹立たしいことはないからね。
これは嬉しい配慮だ。
しかもこのカバー、デフォルメされたサーヴァントのイラスト書いてあるとのことだ。
気付かなかったかな?
いったいどんなサーヴァントが書かれているのか。それについては自分の目で確認してみてほしい。
4.今回のフェアで復活した本とは
今回のフェア開催に合わせて復本された本があるようだ。
その2冊とはゲーム内に登場するサーヴァントであるポール・バニヤン、そして殺生院キアラに関連した筑摩書房から出版されている2冊だ。
ポール・バニヤンはアメリカの逸話をまとめた「巨人ポール・バニヤン」を、キアラに関しては彼女が江戸時代に途絶えた真言宗系の宗教「立川流」の最後の導師であるという設定から「邪教・立川流」という本が選ばれている。
しかもこの2冊は紀伊國屋屋書店では他の店より2週間ほど早く販売を行い、しかもその期間中は新宿店の身での取り扱いとなるようだ。
この2人についてもっと知りたいという人についてはぜひとも手に入れたい1冊であることは違いないだろう。
5.Fateに関わる人物が選ぶ本とは
今回のフェアでも先の時と同じようにシリーズに関連した作家が選んだ本というコーナーが同時展開されている。
場所は2階のエレベーターを降りてすぐ左手。ちょうどフェアの棚と並ぶ位置だ。
それぞれの作品を手掛けている作家がどういった理由でこの本を選んだのかなどのりゆうについてもPOPにまとめられている。
ぜひともこちらもチェックしてみてほしい。
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まとめ
以上が現在紀伊國屋屋書店新宿本店で行われているFGOフェア新宿特異点の概要だ。
なかなか楽しそうなイベントであろう。
それにしてもなぜそこまで詳しいのかと言いたげな顔をしているね。
いや失敬。実は私もこっそりお邪魔させてもらってね。なかなか面白い企画だったから君にも見に行ってほしいと思っていたんだよ。
もし気に入ったのなら今度は彼女も連れていくといい。本好きな彼女の事だ。きっと喜ぶことだろう。
このFGOフェアはただ単にその人物についてまとめた本を並べているわけではない。
例えば花についての本やいわゆる筋トレについての本なんかもなぜか置いてある。
察しのいいマスターであれば、誰をイメージしてその本が置かれているのかはすぐにわかるだろうね。
そういったように並んでいる本から誰をイメージした本なのかを推理してみるというのもなかなか面白い。
機関については未定だが、およそ一か月は予定しているとのことだ。
今から1か月というと、ちょうど時期的にビックサイトで行われるとあるイベントの時期ぐらいまでは行われるという事になる。
ゲームで気になった人物についての本を探してより深くその人物を知るもよし。ストーリーの元ネタとなった本を手にしてみるもよし。
いくらでも楽しみ方はある。
ぜひとも足を運んでみてほしい。
(写真と文/鴉山翔一)
紀伊國屋書店新宿本店
・住所
東京都新宿区新宿3-17-7
・電話番号
03-3354-0131
・営業時間
10:00~21:00
・ホームページ

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