西新宿の「タカマル鮮魚店」は、何と言っても刺身がうまい! 

    西新宿の「タカマル鮮魚店」は、何と言っても刺身がうまい!

    週に1度は必ず刺身を食べたくなる。
    無性に食べたくなる。


    なぜだろう?
    自分でもわからない。
    食べたくて、食べたくてしょうがなくなるのだ!

    刺身! 刺身! 刺身!

    ボクの体のなかの駄々っ子が、刺身を食べさせろと床に転がって足をバタバタさせながら喚いている。

    こうなると、もう止められない。
    おいしい刺身を食べるまで足のバタバタがボクの心をかきむしるのである。

    そんな状態になると、ボクはすぐに家を出る。そして、いつものお店へ行くのだ。

    それが、この店!

    西新宿の「タカマル鮮魚店」。漢字で書くと「鷹丸鮮魚店」となる。
    たぶん、東京で一番刺身がうまい店じゃないかなぁ~~。

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    ■威勢のいい声に誘われてつい食べすぎてしまうのだ!

    砂漠を1週間ほどさまよい歩いた旅人が水を求めるように、ボクはこの日、刺身を求めた。
    食べたい! 食べたい!
    刺身が食べたい!

    朝、起きたときから、ボクの体は刺身モードになっていた。
    ボクは「タカマル鮮魚店」の1号店に向かった。
    場所は、少し奥まった路地を入らなければならない。
    西新宿7丁目に「柏木公園」という小さな公園があるのだが、その公園の真ん前に「タカマル鮮魚店」1号店はある。

    時間はすでに2時を過ぎている。
    他の店ならランチタイムは終わってる頃だ。
    だが、我が愛する「タカマル鮮魚店」はランチ価格でどんぶりと定食が、こんな時間でも食べられるのだ。

    嬉しいぜ!

    「タカマル鮮魚店」に一歩足を踏み入れると、とたんに威勢のいい声が飛んでくる。
    「いらっしゃ~い!」
    小柄な若いオネエちゃんが、魚屋の前掛け姿で元気に走り回っている。

    たしか、半年前に入ったスタッフだ。
    当初は物静かでおしとやかな女の子だったのに、いまでは、漁師のようなかすれた大きな声でガンガンしゃべっている。女は変わるもんだなぁ~

    でもでも、
    うう~~ん。この雰囲気、最高だ。

    「タカマル鮮魚店」は普通に魚屋さんとして、魚を売っている店です。

    「タカマル鮮魚店」は普通に魚屋さんとして、魚を売っている店です。

     

     

    さて、今日は、何を食べようか?

    お腹に相談してみるとするか。

    お前は、今日、何を食べたいんだい?
    「スズキか、コチか、イサキがいいなぁ」

    やはり夏らしい魚が食べたいという。

    そうなんだ。
    刺身料理というのは、その日の仕込みによってメニューが変わるのだ。

    当たり前といえば、当たり前の話だが、毎日、旬な魚や、イキのいいのが入ったかどうか、店の人に訊ねながら注文するというのが、刺身を食べる楽しみでもある。

    「夏らしいお魚はあるかなぁ? スズキとかハモとか・・・」

    「いやぁ~~ランチはちょっとそういうの無いんですけどねぇ」

    無いんじゃ、しょうがない。

    お腹の具合を見ると、ペコペコ状態だ。

    まずは、丼ぶり物といこうか!

    「ブリとねぎとろ丼、お願いします」

    DHAとオメガ3がたっぷりと含まれているブリとねぎとろを食べればきっと頭がよくなるに違いない。生活習慣病の予防にもなる。

    ボクは先に料金を支払って、「11番」の札を受け取りテーブルについた。
    ランチタイムは先払いなのだ。夜は、後会計になる。

    周囲のテーブルを見ると、年配の男性客らが、昼間っから飲んでいる。
    刺身を食べるとき、日本酒が飲みたくなる気持ち、わかりますよ~~。

    「タカマル鮮魚店」1号店の店内風景。午後3時ころはこんな感じですが、18時くらいから混みはじめて、19時には満席になりますね。毎日!

    「タカマル鮮魚店」1号店の店内風景。午後3時ころはこんな感じですが、18時くらいから混みはじめて、19時には満席になりますね。毎日!

     

    しばらくして「ブリとねぎとろ丼」がやってくる。

    このブリの厚さはなんだぁ!

    他店で刺身定食を注文すると、このブリの2切れ分で1,000円は取られる。

    永遠の友ともいえる我が「タカマル鮮魚店」の気前の良さを見てくれ!

    厚さ3センチはあろうかというブリの刺身が、4切れも入っているのだ。
    1切れが口に入らないほど大きい。

    しかも、ネギトロが山盛りである。
    これだけで、十分お腹いっぱいになりそうなボリュームなのだ。

    とにかく、我が敬愛する「タカマル鮮魚店」は、刺身の量が半端ない。
    腹いっぱい刺身が食べたい人は、絶対に満足する。
    ボクが連れてきた友人知人たちは、例外なく、この店にハマっている。

    「ブリとネギトロ丼」980円。みそ汁はお代わり自由。この量でこの値段はチョー安いよ!

    「ブリとネギトロ丼」980円。みそ汁はお代わり自由。この量でこの値段はチョー安いよ!

     

    ■昼間から酒を飲んでいいものかどうか?

    おいしい刺身が腹いっぱい食べられるとなると、当然、日本酒が飲みたくなる。
    ビールやワインじゃなく、焼酎でもなく、やはり、ここは日本酒だ。

    できれば常温でいきたい。

    でも、時間は昼の3時前。
    世の人々は仕事をしている時間だ。
    こんな時間に酒を飲むというのは不謹慎かもしれない。

    たしかに、ボクも、事務所へ行って書かなければいけない原稿がある。
    仕事があるのだ。働かざる者喰うべからずだ。

    しかも、飲んだら書けなくなるだろ。

    どうする?

    「昼間っから飲んじゃっていいっすかねぇ?」

    ボクは店の女の子にそんな質問をしてみた。
    自分の行動を、店のスタッフに決めてもらうなど、ボクとしては情けないかぎりだ。

    女の子はニヤッと笑ってこう言った。

    「じゃんじゃん、飲んじゃってください!」

    その元気のいい声に誘われてボクの腹は決まった。

    こうなったら、飲もう!
    飲んじゃえ!

    「じゃ、樽酒を1つ」

    心から尊敬する我が「タカマル鮮魚店」で飲むべき酒は、何と言っても樽酒である。

    秋田の銘酒「高清水」を樽に入れてあるのだ。
    これを常温で飲むとたまらなく刺身と合うのである。
    スタッフが、小さなヤカンに樽酒を入れて持ってくる。
    そして、受け皿となる桝のなかにこぼれるほど、ナミナミとついでくれる。

    これで380円だ。

    安くてうまい!
    この酒を飲まずして死んでいく人たちが可哀想でならない。

    口を近づけてゆっくりと飲まなければこぼれてしまうのだ。
    そして、そのとき、ほんのりと木の香りがする。
    この香りこそが樽酒の真骨頂である。

    ボクは樽酒の木の香りを存分に味わってから、ちびちびと飲んでいった。

    結局、樽酒をボクは2杯も飲んでしまった。
    夜は混んでいるので、1人来るのは気が引けるが、この時間帯は、1人飲みの天下だ。
    ゆっくりと刺身と酒が楽しめる。

    柏木公園の緑の木々の葉隠れから差し込んでくる木漏れ日が眩しくて目を細める。
    ボクはこの午後のひとときが何とも言えなく贅沢な時間だと思う。

    昼間っから酒が飲める勇気!
    昼間っから酒が飲める自由!
    昼間っから酒が飲める幸せ!

    ああ、幸せだなぁ~~。

    のんびりしずぎてしまい、長居をしてしまって、追加で「カツオの刺身」を注文しちゃったのだ。

    秋田の銘酒「高清水」の樽酒が380円。君は、これを飲まずに死ねるか?!

    秋田の銘酒「高清水」の樽酒が380円。君は、これを飲まずに死ねるか?!

     

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    ■「仲卸価格」でおいしい魚を提供してくれる店なのだ!

    高級料亭とか割烹とかへ行くとおいしい刺身を出してくれるだろうが、目が飛び出るほどの値段になる。

    高い食材を使って料理して、高い値段を取るのは、商売人としては下の下ではないだろうか。なにしろ、そこには企業努力がないじゃないか。

    店構えとか、調度品とか、皿やグラスにお金をかけて、料理の値段を上げるという戦略は、商売人としても、料理人としても失格だろう。そう思わないか?

    だが、尊崇の対象ともいえる我が「タカマル鮮魚店」は違う。新鮮でおいしい刺身を、庶民でも手の届く価格で提供してくれる。

    なぜ、「タカマル鮮魚店」が安い価格で刺身が提供できるかというと、魚屋として小売もやっていて、卸売り業務もやっているから、いわゆる「仲卸価格」で魚が提供できるのだ。

    魚好きとしては、その企業姿勢がたまらなくシビレるのだ!

    いつまでも安くておいしい刺身を食べさせてくれよ!
    応援してるよ!
    頑張れよ!
    と、つい声をかけたくなる。

     

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    カツオの刺身が980円。とにかく分厚いのにはびっくりするよ!

     

    ■ドミナント戦略で常に新鮮なお刺身が出てくる店

    刺身を出す店がつねに苦労するのが魚の鮮度だ。
    魚河岸から仕入れて1週間も2週間もたってしまった刺身など食べられたもんじゃない。焼き魚や煮魚に回されるのだろうが、焼いたり、煮たりするときも、やはり、鮮度のいい魚のほうがおいしいに決まってる。

    魚は鮮度が命なのだ!

    しかし、その日に仕入れた魚がその日のうちに売り切れなかったら、どうする?
    翌日、客に出すしかなくなるのだ。

    マグロやサーモンなら、冷凍しておけばいいが、ブリやら、鯛やら、ヒラメやら、のどくろやハゲや鰆など、冷凍するわけにはいかない。

    ブリやヒラメは、2~3日たったほうがうまいというが、その絶妙な時に刺身を提供するには、客がたくさん来て、たくさん刺身が出ていなければうまくいかないだろう。

    メニューを豊富にすると、50席くらいしかない店だと、その日のうちにはけなくなる。

    どうする?

    「タカマル鮮魚店」はそれを、ドミナント戦略で克服しているのだ。
    ドミナント戦略とは、地域をしぼって集中的に出店する戦略のことである。

    「タカマル鮮魚店」は、ここ西新宿7丁目に集中して4店舗も展開している。
    住所を並べてみるとよくわかる。

    半径1キロ圏内に4店舗もあるというのは、徹底したドミナント戦略だといえる。
    やるなら、ここまで徹底してくれたほうが気持ちがいい。

    西新宿7丁目に集中しているので、魚を運ぶのもコストカットできる。
    「ヒラメ、そっち余ってる? いま、注文が入ったんだけど、すぐに持ってきてくれないかなぁ」
    と電話すれば、すぐに用意できる。
    これは、スゴイことだ!

    しかも、これで魚の鮮度の問題もクリアできるのだ。
    1店舗ずつは、40席から80席程度のスペースしかないが、4店舗を合計すると、かなりの量の刺身が1日に消費される。

    だから、常に新鮮な魚が提供できるというわけだ。
    スゴイぞ! 「タカマル鮮魚店」!!

    刺身醤油が3種類ある。旨味を強調したものから、減塩のものまで、好みで使ってくれ。その他、ポン酢やソースもある。

    刺身醤油が3種類ある。旨味を強調したものから、減塩のものまで、好みで使ってくれ。その他、ポン酢やソースもある。

     

    ▼「タカマル鮮魚店」1号店
    ・東京都新宿区西新宿7-15-1 アラパイトビル1F
    ・03-5937-5969
    ・50席

    「タカマル鮮魚店」1号店は柏木公園の真ん前。春は公園の桜の花びらが飛んで来て、グラスのなかに入って風流ですぞ!

    「タカマル鮮魚店」1号店は柏木公園の真ん前。春は公園の桜の花びらが飛んで来て、グラスのなかに入って風流ですぞ!

     

     

    ▼「タカマル鮮魚店」2号店
    ・東京都新宿区西新宿7-15-13 西新宿MTビル1F
    ・03-5937-5444
    ・50席

    「タカマル鮮魚店」2号店は、小滝橋通りから少し路地に入るので、場所がちょっとわかりづらいかも。近くにインディーズのCDショップがあるので、ファンの女性たちが「タカマル鮮魚店」の店先まで行列を作っていることがあるよ。

    「タカマル鮮魚店」2号店は、小滝橋通りから少し路地に入るので、場所がちょっとわかりづらいかも。近くにインディーズのCDショップがあるので、ファンの女性たちが「タカマル鮮魚店」の店先まで行列を作っていることがあるよ。

     

     

    ▼「タカマル鮮魚店」3号店
    ・東京都新宿区西新宿7-12-3
    ・03-5937-4025
    ・40席(2階席あり)

    「タカマル鮮魚店」3号店は、青梅街道沿いにあります。街道の向こう側が安田生命ビルです。横に河合塾があるよ。

    「タカマル鮮魚店」3号店は、青梅街道沿いにあります。街道の向こう側が安田生命ビルです。横に河合塾があるよ。

     

     

     

    ▼「タカマル鮮魚店」4号店
    ・東京都新宿区西新宿7-7-24 GSプラザ 1F
    ・03-5937-4650
    ・80席

    「タカマル鮮魚店」4号店は「北新宿百人町」の交差点の角にあります。新宿駅からだとかなり歩きます。総武線の大久保駅から歩いたほうが近いかも。

    「タカマル鮮魚店」4号店は「北新宿百人町」の交差点の角にあります。新宿駅からだとかなり歩きます。総武線の大久保駅から歩いたほうが近いかも。

     

     

     

    〈全店舗共通〉
    ・営業時間/11:00~23:00(L.O)
    ・定休日/無休
    ・週末はどの店も混んでるので、2週間前から予約が必要です。

     

    (写真と文/ブッダ猫)

     

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