新宿・大久保「オキズキッチン」で美女と恋に落ちる!

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新宿・大久保「オキズキッチン」で美女と恋に落ちる!

ここはどこだ!
オレは誰だ!
そして、敵はいつ来る!

オレは、絶望のふちをさまよっていた。もう、何もかもが、嫌になっていた。
周囲の奴らが全部、オレのことを邪魔する。そうだ、お前ら、みんな敵だ!

オレは、JR総武線・大久保駅を降りて、大久保通りを中野方面へ向けて、夢遊病者のようにフラフラと歩いていた。

どれくらい歩いただろうか?

ふと見上げると、なまめかしくも、弱々しく青く光る看板があった。
看板?
いや、これは看板じゃない。これは雨除けテントに店名が書いてあるだけの、チンケな代物だ。ドアはなく、透明テントでふさいでいるだけの、まるで屋台のような、たたずまいだ。

看板もなければ、玄関もない。イーゼルを立ててメニューを飾るという配慮さえない。
いったい、この店のマスターは、どんだけケチれば気が済むのだ。

誰がこんな店に入るというのだろうか?
どうせ、ロクでもない奴らだろう。

ふと、そのとき、オレは、そのマスターに会ってみたくなった。

もしかすると、オレが抱えているこの絶望感を癒してくれるかもしれない。傷ついたオレの心を慰めてくれるのは、こんな場所こそふさわしい!

それが「OKI’s KITCHEN」だ!

オレはその店のなかへ入る。まさか、そこで、とんでもない一夜が待っていることも知らずに・・・。
今回は、小説風に食レポするぜ!

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1、オレは絶望のふちをさまよっていた!

オレはハンフリー・ボガートモデルの中折れ帽のツバをちょっと目深に直して、オキズキッチンのなかへ入った。

透明テントをくぐる。ドアのカランコロンもなければ、ムード音楽もない。透明テントをめくるガサガサという音だけだ。

マスターと目が合う。

「どうも」

なんだ?! どうも、とは?

ここは、いらっしゃいませ、だろ。キャバ嬢のようなドレスを着た女に出迎えてもらおうとは思わないが、せめて、いらっしゃいませ、と言ったらどうなんだ!

まあ、いい。それは許そう。

オレは気分を直してスツールに腰かけた。

ん? スツール?
スツールといえば、おしゃれなバーのカウンターによくある、革張りの黒い椅子だ。
しかし、ここにあるのは、単なる丸椅子じゃないか。何の変哲もない椅子だ。

「何にしましょう?」
陽気な笑顔でマスターが注文を聞いてくる。

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とにかく陽気なマスターです。女性が1人で入っても、うまいこと楽しい会話をしてくれます。大のカープファンなんで「今日、カープ、どうなった?」ってひとこと言えばOK!

 

できれば寡黙な感じで注文を取って欲しかった。
まあ、いい。

「バーボンある?」
やはり、ここはバーボンだろ。

レイモンド・チャンドラーやダシール・ハメットの探偵小説に出てくる「ジムビーム・ブラック」で決めたいところだ。

「ジムビーム」と言ったあと、オレは少しためて「ブラック」と言った。

オレは絶対に妥協しない。オレは冷酷非情で、センチメンタリズムや感情に流されたりしない。精神的にも肉体的にも強靭になるのだ。
タフだ! タフだ!

「すいません、無いんです」

「え?」

「ジムビーム・ブラック」

マジか? ここは何も無いんだな。そうか、そうか、それが、この店のやり方なんだな? そっちがそう来るのなら、こっちだって、考えがある。

「じゃ、何があるんだ?」

「キンミヤに、黒霧島、いいちことか、ありますけど」

バカやろう、それはバーボンじゃない。

まあいい。本来なら絶対に妥協しないんだが、今日は許そう。

「じゃ、スコッチ・ウィスキーは? シングルモルトで21年物のブッシュミルズ。スモーキーフレーバーの効いたやつを頼む」

ブッシュミルズといえば懐かしい匂いがする。20代の頃、夢中で読んだジャック・ヒギンズのスパイ小説。主人公がバーに入って飲むのが決まってブッシュミルズだった。

「すみません。ブッシュミルズも置いてないんです」

「・・・」
マジか。

「ホッピーセットなら大丈夫ですけど」
なにが、大丈夫だ。
でも、まあ、無いんじゃ、しょうがない。

「じゃ、ホッピーで」
自分で自分の注文したものを軽蔑した。妥協してどうするんだ! 妥協しないのがハードボイルドなはずだ。

「白にしますか? 黒にしますか?」

「どっちでもいい」
オレはすでにうんざりしていた。絶望感はマックスだ!

マスターはグラスにキンミヤをどぼどぼと注ぐ。メジャーカップなど使わず、儲けなども気にせず、かなり大目に焼酎を入れた。

「何か、あったんすか? 機嫌悪いみたいですね」

「絶望したんだ」

「あ、それ、チャンドラーの箱ですよね」

「違う、それを言うなら、パンドラの箱だ」

「知ってますよ。豚は死ね。狼は生きろ! ってやつですよね」

「それは、チャンドラー」

「なんでしたっけ? タフでなければ生きていけない。その次のセリフ・・」

「やさしくなくては、生きている資格がない」
何なんだ、このかみ合わない会話は?

パンドラの箱は、ギリシャ神話だ。ゼウスが少女神のパンドラに、あらゆる災いの詰まった箱を持たせるところから物語ははじまる。

地上に降りたパンドラは、好奇心に勝てず、箱を開けてしまう。すると、すべての災いが地上に飛び出し、世界中は絶望におおわれる。それを見たパンドラは急いでフタを閉める。すると、そこには、希望だけが残っていた。

そんなお話だ。それがどうした?

オレの身に起きた絶望の出来事には、芥子粒ほどの希望さえ残っちゃいない。最悪な状態だ。

「なあ、マスター。絶望の淵から這い上がるにはどうすればいい?」

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ホッピーセット600円 中身250円 焼酎を大判ぶるまいで入れてくれます!

 

 

2、何もない店でさらに深い夜の底へ落ちていく!

まず、マスターが提案してくれたのは、おいしいものを食べることだった。

待て、おいしいものを食べたところで、オレの絶望が癒されるというのか? その道理は? エビデンスはあるのか?

まあいい。この男の口車に乗ってやろうじゃないか。

「じゃ、ベーコンエッグサンドを頼もうか。ベーコンはカリカリに焼いてくれ」
ハードボイルド小説の原型とも言われる、ヘミングウェイの小説『殺し屋』に出てくるメニューだ。

ここは、カッコよくビシッと決めてやる!

「すみません。ベーコンエッグサンドは無いんです」

「じゃ、サンドにしなくていい、ベーコンエッグだけでいい」

「すみません。ベーコンを切らしてまして」

なんだと? この店は、何も無いんだなぁ!

「しょうがない。じゃ、目玉焼きだけでいい。サニーサイドアップにしてくれ」

すると、マスターが急に指を鳴らして踊りはじめた。

マスターは映画俳優で映画のプロデュースもやっているらしい。だから、古今東西の映画に精通している。

片足をピンっと伸ばして高く上げているが、いったい、何の踊りだ?

「何だ、それ?」

「ウェスト・サイド・ストーリー」
ダジャレにもなってないじゃないか!

オレの絶望感はますます深くなるばかりだった。

「お前のどてっぱらに、42口径のピーナッツをぶち込んでやろうか?」

「じゃ、ピーナッツにしますか?」

「いや、いまのオレにぴったりの料理を作ってくれ。何でもいい」

そうやって出てきたのがこれだ!

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キャベツがしっかりと水さらししててあって、シャキシャキする歯触り。そんなとこにマスターの愛情を感じるね!

 

 

・名物キャベツカレー 550

千切りキャベツにカレールーを乗っけて、さらにパルメザンチーズをふりかける。世界広しといえど、こんな独創的な料理を出すのはこの店くらいのものだろう。

シャキシャキとしたキャベツの触感に、カレーの風味と辛味が、喉の奥を刺激しやがる。

ヤバイ! 涙が出てきそうだ!

何だ、この味は~~

バカやろう、おいしいじゃないか。こんなんで、オレの絶望感が癒されると思うなよ!

まだ! まだ! 勝負はこれからだ!

常連客が入ってきた。

役者をやっているI氏。近々、舞台があるので、いまは稽古に忙しいとのこと。

「私がもらったセリフがね。さあ、愛する時間のはじまりだぜ! っていうんですけど、なかなかうまく言えなくて」
とI氏は、ルパン風にそのセリフを言ってみたり、キムタク風に言ってみたりして、オレを笑わせてくれる。

少しばかり、オレの絶望感は、和らいだ気がする。ありがとよ。I氏!

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I氏は、これからメジャーに伸びていくかもしれない役者さん。やったね! 芸能関係や映画、舞台などのお客様が常連におられます。もちろん、女優や俳優の人たちもよく来るそうですよ~~

 

 

 

でもでも、和らいだからこそ、次の瞬間には、さらに深い絶望感が襲ってくるんだ。

くそ! 忌々しい!

「で、お客さん、何でそんなに絶望しちゃってるんですか? 何があったんすか?」

「何、ちょっとしたことさ。勝負の世界のことだからね・・・」

 

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年輪を重ねた、このカウンターのテカリ加減がたまらなくいいんだよね!

 

 

 

3、もしかしてこの美女、アスペルガー?

23時を過ぎたころだ。

この世のものとは思われないような妖艶な美女が入ってきた。ピンヒールの赤いパンプスに、赤いミニのワンピース。派手なメイクに、肌の露出の多い服装、どう見ても堅気の人間じゃない。

胸の谷間が、バレーボールを抱えてるみたいじゃないか! オレの視線が、どうしても、その谷間に吸い寄せられていく!

美女は、これほど、優雅にこの丸椅子に座れるのかというくらい、なめらかに坐る。透き通るような白い生足がすらりと伸びて、床にコツンとパンプスが舞い降りる。

10点! 10点! 10点!

オリンピックなら満点で優勝だろ。まるで丸椅子に座る妖精だった。

そんな美女が、深夜になってやって来たのだ。
食べログで、この店の営業時間を確認すると、23時までとある。しかし、そのあとに「心が折れるまで」とある。

何だ?

この心が折れるまでとは?

まあいい。とにかく、深夜まで営業するってことだな。許そう!

そんなことよりも、この美女は、いったい、何者だ?

もしかすると、キャバクラの営業が終わって、ここへ食事に来たのか?

それとも、高級バーのホステスか?

いやいや、キャバ嬢やホステスだったら、帰る時にお店で着替えてくるだろ。これじゃ、営業中に逃げ出してきたみたいじゃないか。

え? 待てよ。まさか!
この店のホステスなのか?

待て! 待て!
この狭い店内で、この丸椅子に座って、ホステスがどんな接客をするというのだ。あり得ない。

いったい、この美女は何者なんだ?

「マスターさま、このお店のメニューは、どれでございますの? わたくし、おなかペコペコでございますのよ」
ご丁寧な言葉づかいだった。

「ここの壁に貼ってあります」
マスターは躰をずらしてメニュー表を見せた。

美女は、真剣に、メニューの1つ1つに目を走らせる。

美女が、ふと横を向いた。そのとき、オレと目が合った。

オレは中折れ帽をちょっと上げて、お辞儀した。
「それは、イタリアのボルサリーノ製のソフトフェルトハット。素材は兎の毛を固めたラビットファーフェルト。クラウンにクリースがあって、尖端につまみがある。ハードボイルドの世界では、その帽子にトレンチコートというスタイルが定番。いわゆるタフガイってやつでございますわね」

「よくご存知で」

「わたくし、自分に興味のあることには、人並み外れた集中力と記憶力を発揮しますの」

「もしかして、空気を読むのが苦手だったりしますか?」

「苦手じゃありませんわ。空気は呼吸するものであって、読むものじゃありませんから」
美女は朗らかに、歌うように言った。

「なるほど・・・」

「わたくしね。いま、そこの新宿村スタジオでドラマの撮影しているんでございますの。ヒロインですってよ。それでね。今日ね。銀行口座を見たら、ドラマの出演料が入っているじゃありませんか。わたくしにとっては、はじめてのギャラなんでございますのよ。このギャラで、何を食べるか、考えながら、休憩時間にこうして、スタジオを抜け出して来たんでございますのよ。これは記念すべき日でございますわ。そうだわ。この日を、『歓喜あふれる初ギャラ受取り記念日』と名づけたいと思いますのよ。いかがかしら?」

赤い口紅の小さな唇が、おもしろいほど、よく動いた。

そして、その口から出た言葉が『歓喜あふれる初ギャラ受取り記念日』だと。お前は、赤毛のアンか、と突っ込みたくなる気持ちをオレはグッと抑えた。

「あら、どうなさったの? ご機嫌が悪そうね。何かあったのかしら?」

「こちらのお客様は、ただいま絶望されてまして・・・」

マスターが申し訳なさそうに言う。「で、で、ご、ご注文は・・・」

「あらまあぁ。絶望なさっているんですの? それはいけませんわ。絶望といいますと、希望を失うということですわね。愛する人を失ったり、信じていた人に裏切られたり、社会的な地位をはく奪されたり、絶望の理由はそれぞれあるわけですけども、あなた様は、どのような理由で絶望なさっているんですの?」
まあ、ストレートに聞いてくるもんだなぁ。

「何もお答えにならないということは、理由もなく絶望なさっていると解釈してもよろしいのでしょうか?」

「そこのところは、うまく、察してもらいたいんだがねぇ」
オレは小さな声でボソリと言った。

「察しろとおっしゃっても、ちゃんと言葉にしていただかなければ、わたくし、理解できませんわ」
美女は少し声を荒げて言った。

「悪かった。オレの絶望の原因はだな。今日の夕方から9時45分ころに起きたんだ」
オレは、そこまで言って気分が変わった。「いや、これ以上は、何も言えない」

オレは、ホッピーをグイッとあおった。

マスターはあいかわらず美女の注文を待っている。

もしかして、この美女はアスペルガー症候群かもしれない、と思った。

 

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意外に坐り心地がいい、黒の丸椅子。いやスツールと言ったほうがいいかな。

 

 

4、このままじゃ、どうにかなっちまいそうだ!

 

「わたくし、小さいころ、我が家の食卓に料理がならぶことなんか、なかったんですのよ。ご飯におみおつけ、それに香の物だけですの。毎日、食事の時間になると、わたくし、目を閉じて、想像の翼を広げるんですのよ。そして、ビフテキやら、お刺身やら、世界中の珍しいお料理がテーブルにいっぱい並んでいるところを想像するの。もう、それだけで胸がいっぱいになるんですのよ。素敵でしょ」

「想像の翼ね・・・」

美女のほうから流れてくる甘くて爽やかな匂いに、オレの鼻はむず痒くなって、ズルズルっと鳴らした。

どうしたんだ。この女のおしゃべりを誰か止めてくれ。

壊れた水道の蛇口みたいに、だらだらと水がこぼれ出てるぞ!
しかも、物凄い勢いでな。

「ですから、このカウンターの上に、あるだけの料理を並べてみたいの。よくって? さあ、あなたも、目を閉じて想像してみてごらんなさい。このカウンターの上に、料理がずらりと並ぶんですのよ。素敵なことじゃありませんこと?」
美女は瞳を濡らして、うっとりしている。

マスターは、早く注文をしてもらいたがっている。

オレは、この美女の言っていることを、何とか理解しようと、頭を巡らせている。

「さあ、あなたも目を閉じてくださいな」
美女は、オレに指図する。

オレはいつまでも目を閉じようしないのだが、美女は、そんなことに少しもイライラすることなく、朗らかな感じで、

「さあ! さあ! 目を閉じてくださいまし?」
と言った。

オレはしかたなしに、目を閉じる。今夜は、どんだけ妥協すればいいんだ。これが最後だぞ!

「マスターさま、このお店のメニューをすべて作ってくださいませ。もちろん、代金は、わたしくしが、お支払いいたします」
マスターは汗を流しながら、次々と料理を作っていった。

 

・かき醤油つけ麺   650円
・坦々つけ麺     750円
・特製カレーつけ麺  750円
・特製カレー丼    700円
・四川風坦々丼    700円
・鶏蒲焼き丼     800円
・バジル麺      500円
・カキ醤油麺     600円
・わさび豆腐     350円
・幻のサラミ     350円
・ポテチ       200円
・QBBチーズ         200円
・エイひれ炙り焼き      300円
・やみつきクリームチーズ   300円
・瀬戸内レモンの海鮮ミックス 300円

 

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5、おそらく、たぶん、やっぱり、これって恋?

カウンターに、所せましと料理がならんだ。
どうすんだよ、この料理。

美女は、目を輝かせて眺めている。

マスターは、久しぶりに仕事をしたせいか、疲れてぐったりきている。

常連客のI氏は、食べる気満々で、口元からヨダレが流れ出ている。

そして、オレは・・・。オレは・・・。

オレのなかで、不思議なことが起きた。精神の革命と言ってもいい。

アスペルガー美女のおしゃべりはうんざりするほど、ダラダラと水漏れしてやがる。

たしかに、最初は、クソッタレの、バカやろうが、ブチ泣かしたろうか、と思った。

しかし、美女のおしゃべりを聞いているうちに、何か、心のなかに、ポッと灯りがともったような気がするのだ。

「さあ、みなさま、食べましょう」
美女が、いただきますの合掌をする。日本風の合掌ではなく、クリスチャンの両手を組むやつだ。

そして、口のなかでブツブツとつぶやいている。

すでに、食べ始めていたI氏は、咀嚼を止めて、口を開けたまま美女の横顔を見る。

「天にまします、我らの神よ。今日も、素晴らしい食事にたどり着くことができました。地球の恵みに感謝します。海の恵みに感謝します。山の恵みに感謝します。そして、作ってくださった、マスターさまに感謝します。一緒に食べてくださる、素晴らしい方々に感謝いたします。愛と感謝を込めて、いただきます!」

I氏は、美女の祈る姿に感動したらしく、猛烈な勢いで食べ始めた。感動すると、食べるタチのようだ。

「マスターさまも、いただいて、くださいな」
美女の言葉に、マスターもニッコリする。

「じゃ、遠慮なく」

マスターもお腹がすいていたのだろう。大口を開けてカレー麺をかき込んだ。

美女が黒い丸椅子を座り直して、1つオレの方へ近づいてきた。
フワッといい匂いがした。

美女の白くて美しい指がオレの肩に触れる。
「もう、よろしいんじゃなくって? 絶望の理由を話してくださいませんか?」
オレは美女の瞳を覗き込んだ。美しい! なんて、美しいんだ!

この湧き上がる感情はなんだ?

50年間生きてきて、こんな清々しい気持ちになったのは、はじめてだ。

この感情はいったい何だろう?

もしかして・・・。

「なぜ、絶望してらしたの?」

「カープが」

「カープがどうしましたの? 魚の鯉ですの?」

「いや、野球の、広島カープです」

「あら、日本の野球に、広島カープという球団がおありですのね?」

「はい。その広島カープが、3連敗したんです」
オレは、なぜか、年下の美女に向かって敬語で話していた。

ま、とにかく、オレにとって、カープ3連敗は、ショックだった。

オレも広島出身で、小さいころからカープファンなのだ!

共に闘うのが、カープファンだ。

だからこそ、負けたときは、人一倍落ち込むし、絶望もする。

 

「そうでしたか。それは、悲しゅうございますわね。わたくしも、一緒に泣いてさしあげますわ」

「あ、あ、あ、ありがとうございます」

オレは、美女の腕に顔を押しつけて泣いてしまう。美女の腕のなかで、素敵な感触を味わった。

この感情は、いったい何だ?

もしかして、おそらく、たぶん、やっぱり、これって恋? カープ(鯉)だけに・・・。

オレは心のなかで、そんなダジャレをつぶやいてみた。言いようのない幸福感に耐えながら・・・。
(写真と文/ブッダ猫)

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マスターは大のカープファン! カープ女子大歓迎だそうです。野球のルールなんか知らんでも、手取り足取り、教えますけん、と言ってました!

 

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マスターの似顔絵。有名なイラストレーターさんに描いてもらったそうです!

・店名/Oki’s kitchen (オキズ キッチン)
・住所/東京都 新宿区北新宿1-28-18
・営業時間/18:00~23:00頃(心が折れるまでとのことです)

https://m.facebook.com/pages/OKIS-Kitchen/1629436624001472

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コメント

  1. 初ドラマの女 より:

    笑いながら読んでしまいましたわ。
    しかもオキズキッチンを知っていると、さらにその虚実混合なところが面白いのですわよ。

  2. フミフミ より:

    オキズキッチンは、最高です!

  3. ちゃっP〜ラテ より:

    す 素晴らし過ぎる(°_°)
    この店を知ってるのに今すぐ飛んで行きたくなる(°_°)

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