小説『新宿鮫』を読んであきらめない精神を学ぶ!

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小説『新宿鮫』を読んであきらめない精神を学ぶ!
俺は、ハードボイルド探偵だ。
あらゆることをハードボイルドに調査している。

今日は、俺がハードボイルド探偵になったきっかけの一つであり、
お気に入りのハードボイルド小説でもある『新宿鮫』を紹介しよう。

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■主人公の鮫島は警察組織で、なぜ孤立していたのか?

主人公・鮫島(さめじま)は新宿署・防犯課の警部。

国家公務員上級試験に合格したキャリア。

ところが、鮫島は孤立している。

チームワークが重視される警察にあって、
通常二人一組で行う捜査を、
単独捜査で行っているからだ。

それにも関わらず、
驚異的な検挙率を挙げている。

なぜ、鮫島は孤立しているのか?

鮫島は、警視庁公安部外事二課時代、
公安部内の暗闘に関する重大な秘密を、
同期入庁の宮本から遺書として託された。

鮫島は、対立する両者のどちらにも組みすることなく、
その爆弾を握り続けている。

そのことによって、鮫島は、
アンタッチャブルな存在となり、
出世することもなく、

かといって、辞めさせられることもなく、
キャリアにも関わらず、

23歳の時から警部のまま新宿署にいる。

組織から孤立しているという意味では、
テレビドラマ『相棒』の杉下警部と同じだが、
『相棒』がいない分だけ、
もっと徹底的に孤立してるだろ?

さすがに、ハードボイルドだ。

 

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■鮫島の首筋にある傷の秘密とは?

さて、鮫島には、首すじに刀傷がある。

とある県警察警備部公安第三課に出向中。

過激派左翼団体を違法な方法でつぶしたノンキャリア警部補・亀貝を、
鮫島は許せなかった。

出向中のキャリアにも関わらず、
仕事に口を出ししてくる鮫島を、

元々気に入らなかった亀貝は、
鮫島を模造刀で切りつける。
鮫島は瀕死の重傷を負う。
それでも、亀貝に手錠をかける。

亀貝は懲戒免職となった。

首筋の傷は鮫島の正義感の証なのだ。

鮫島はそれを隠すために、後ろ髪を伸ばしている。

鮫島は、組織の論理に囚われず、
ヤクザとも馴れ合わず、
鮫のように静かに近づいて、
突然、犯人を捕まえるために、
「新宿鮫」と呼ばれて恐れられている。

 

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■鮫島の恋人の「ロケットおっぱい」とは?

鮫島には、恋人がいる。

それが、青木晶(あおき しょう)。
ロックバンド「フーズ・ハニィ」のヴォーカル。

はねっかえりな性格で、
鮫島が「ロケットおっぱい」と呼ぶほどの巨乳だ。

鮫島が、晶の友人・秋月美加の恋人・克次を、
逮捕することで、ヤクザから守ったことで、知り合った。
警察官の鮫島とロックバンドのヴォーカルが付き合ってるのも、
新宿の街が起こした奇跡だ。

鮫島の上司が、防犯課長で警部の桃井正克。

桃井は将来を嘱望された警察官だったが、
過去に交通事故で家族(妻と1人息子)を失って以来、

現場に出ることなく、

淡々とデスクワークをこなしているだけなので、
「マンジュウ」(死体)と呼ばれていた。
引き取り手のなかった鮫島を、
唯一、桃井が引き取ったので、

鮫島は新宿署防犯課にいる。

この本のすごいところは、
これらの舞台設定、人物紹介を、

テンポよく、新宿の街を疾走するように、
あっという間にやってのけるところだ。

夢中でページをめくっているうちに、
『新宿鮫』の世界に入り込んでしまう。

 

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■小説『新宿鮫/シリーズ第1弾』のあらすじ(ネタバレ注意)

そして、事件が起こる。

歌舞伎町を中心に、
警察官が連続して射殺されていく。

鮫島は使われた弾丸から、
密造銃の天才・木津が作った銃から撃たれたものであることを突き止める。

鮫島は木津を追う。

木津は用心深く、
足がつかないように、
友人・富川の船で移動して、

自宅に、工房にと、移動していたが、
富川を説得して、
ついに鮫島は工房を突き止める。

工房に乗り込んだ鮫島だったが、
富川は木津に事前に知らせていて、
鮫島は捕まってしまう。
鮫島は拷問を受け、
木津に殺される寸前、

桃井があらわれて、
木津を射殺する。

「マンジュウ」と呼ばれる桃井の意外な行動だった。

さらに、捜査を進めた鮫島は、
ゲイのカズオが木津の工房から、
密造銃を持ち出し、

好意を持つ男の家に置いてきた銃が、
使われたということが分かる。

その男が、砂上幸一だった。

砂上はヤクザに袋叩きにされているところを、
警察が助けなかったことを恨んで、
犯行に及んでいたのだった。

しかし、実際には、その時、鮫島が砂上を助けていたのだ。

砂上は最後に、晶を殺して、心中しようとしたが、

鮫島は密造銃が携帯電話を模したものであることを見抜き、
間一髪で砂上を逮捕して物語は終わる。

 

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■小説『新宿鮫』の作者について

作者は、大沢在昌。

1979年、『感傷の街角』で第1回小説推理新人賞を受賞してデビュー。
若干、23歳だった。

しかし、そこから、11年間28冊に渡って、
本を出し続けるも、全く売れず、
「永久初版作家」と呼ばれる。

書店で自分の本が見当たらず、
書店員に聞いてみると、
赤川次郎の新刊を盛り上げるための台になっていたこともあったそうだ。

『新宿鮫』の前作である『氷の森』は、
すべてを掛けて書いたものであったが、
全く売れず、落胆したと言う。

そこで、少しやけになって、
書いたものが、『新宿鮫』だったということだ。

この辺りは、
『新ハードボイルド論』という、

ituneやAudibleで販売している音声に詳しい。

自分では、
『新宿鮫』ベストセラーになるとは夢にも思っていなかったそうだ。
まるで作中の鮫島のように、あきらめずに、
書き続けたことが実を結んだと言えそうだ。

この作品で、
「このミステリーがすごい!」ランキング第1位を獲得し、

第44回日本推理作家協会賞、

第12回吉川英治文学新人賞をダブル受賞。
興味深かったのは、
出版社が『新宿鮫』を売り出すときに、
ハードボイルドという言葉は一切使わず、

「長編刑事小説」として売り出したというエピソードだ。

ハードボイルドというマイナーな分野を、

刑事小説というメジャーな分野にもっていったことが、
売れるきっかけの一つになったようだ。
確かに、今売っている本の帯にも、

「刑事小説の最高峰!」

という文字があって、

「ハードボイルド」という文字はない。
マイナーな分野をメジャーな分野にもっていくというのは、
マーケティングの重要な方法の一つだ。
ハードボイルド探偵は、マーケティングにも詳しいんだぜ。

意外だろう?

他の記事にも、書いているが、
このギャップがモテる秘訣なんだぜ。

 

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■まとめ

『新宿鮫』は夢中で読める極上のエンターテインメント小説だ。

そして、そこから、あきらめない精神を学ぶことができる。

さらに、俺ぐらいになると、
マイナーな分野をメジャーな分野にもっていくという、
マーケティングの方法まで学ぶことができた。

俺もハードボイルド探偵というマイナーな職業を、
新宿というメジャーな土地にもってきたから、
やっていけてるんだぜ。

 

活字を読むのが苦手な奴は、

ちょっと古い映画だが、

よかったら、

『眠らない街』のDVDでも、

観てみなよ!

 

新宿がもっと、好きになるぜ!

 

そして、あきらめない精神が身につく!

 

(文・ハードボイルド探偵)

 

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